Tuiles aux amandes
プロヴァンス地方の瓦tuileは弧を描いているが、その形を真似たお菓子もtuile。パン屋で100グラム20フラン前後で売られているが、自分で、エッセンスではなくサヤ状のバニラを使って作ると、優しい香りのうっとりするような味になる。ティータイムにもいい。デザートのアイスクリームに添えれば豪華。作り方も楽しく、日曜日に、子どもたちをかり出して瓦作りに励んでみよう。
きょうは贅沢にアーモンドも入れる。薄切りのアーモンドamandes effiléesを100グラム用意。あらかじめ軽く焼いておいた方が仕上がりが香ばしい。天火の目盛りを3 (130度ほど) にして熱くし、アーモンドを天板いっぱいに広げて10分ちょっと焼く。途中で全体をかき混ぜ広げ直す。軽い焼き色がついたらOKだ。その間に、よく切れるプティナイフを使って、バニラのサヤを二つに縦割りにする。中に入っている香りの素の細かな種を、ナイフの先でかき出しておく。
大きなボールに、粉砂糖125グラム、丁寧にふるいにかけた小麦粉75グラム、塩ひとつまみ、バニラの種1本分をとり、よく割りほぐした卵2個を加え、泡立て器を使って均一になるまで混ぜる。溶かしバター30グラムも混ぜ入れ、最後に、軽く焼いておいたアーモンドを加え、全体を優しく混ぜ合わせる。これで36枚分ほどだ。
目盛りを8 (250度ほど) にし天火を熱くしておく。
天板に薄くバターを塗り、生地を小サジ1杯分、間隔をとって置いていく。12枚分は並ぶだろう。生地が薄く広がったら、フォークの背でなるべく均等な楕円形にして、即座に天火へ。
5分ちょっとで縁が狐色になったら焼き上がり。フライ返しなどで天板からはがし、めん棒やボルドーワインの空き瓶などに乗せて軽く押さえ、瓦の形にする。ちょっとでも冷めると形が付かないので、その時はまた天火に少し戻して、同じ作業の繰り返し。すっかり冷めたら缶に入れて保存します。パン屋の瓦とは段違いの上品なおいしさです!(実)
●ハーブ・スパイス探検|Vanille
バニラは、ラン科のvanilla planifoliaのサヤ状になった実を、さっと茹でてから乾燥させたものだ。マダガスカル島やレユニオン島の名産。黒褐色でツヤがあり、しなやかなものを選びたい。バニラ・エッセンスよりは値が張るけれど、甘い上品な香りは比類がない。中の種に香りが集中しているので、二つに割ってから牛乳で煮て香りを引き出したり、中の種だけをかき出して混ぜ入れる。ケーキ、アイスクリーム、カスタードソースなどに欠かせないが、最近は塩味の料理にも使われるようになってきた。
●残り物を使ったサラダ2種
●キューバ風牛肉のサラダ
水煮やワイン煮にした牛肉が余ったら、キューバ風牛肉のサラダを真似してみよう。まず肉を適当にほぐして、せん切りの玉ネギ少々を加え、塩、コショウで味を調えたら、タバスコソースと混ぜ合わせておく。僕はかなりの量を入れてピリッとさせる。各人の皿に、細く切ってビネグレットソースで和えたレタスを敷き、缶詰の水煮赤インゲンをばらまき、よく熟したアボカドを八つほどに割ったものを並べ、真ん中に肉を飾り、パセリを散らせば出来上がり。
●サヴォワ風サラダ
リヨンやトゥールーズ産のソーセージを焼きすぎた、煮すぎた。それがサヴォワ産の燻製風味のソーセージだったら、もっと本格的なサヴォワ風サラダになる。まず、一人一個分のジャガイモを皮ごと茹でる。茹で上がったら、皮をむいて輪切り。サラダボールにレタスをとり、ジャガイモを入れ、グリュイエールやコンテなどのチーズ適量をサイの目に切って加え、電子レンジで軽く温めなおしたソーセージを輪切りにして加え、マスタードをきかせたエシャロット入りビネグレットソースで和える。