Boulets à la sauce lapin
ブリュッセルに住んでいる友人が、リエージュ名物のブレという肉だんごを作ってくれた。
肉は豚と牛の合い挽きだが、フランスの肉屋では豚肉は挽いてくれない。そこで自分で挽くか、肉屋で「chair à saucisse」を買ってくる。これは豚の挽き肉に下味が付けてあるものだから、味付けの時に塩を控え目にすることが大切だ。
食パンの耳を切り落としてさいの目に切ってボウルにとり、牛乳を半カップほど入れて浸しておく。玉ネギをできるだけ細かくみじんに切る。パセリもみじん切り。以上を別の大きめのボウルにとる。卵を加え、パンの耳を軽く搾って加え、塩、コショウし、丁寧に混ぜ合わせるのだが、手を使うのが一番だ。
このへんでオーブンの目盛りを200度に合わせて点火する。
両手を使って肉のミンチをおにぎり大のだんごにしてから、バターを塗ったオーブン皿に並べ、熱くなっているオーブンに入れ、色が付いてきたらひっくり返す。もう片方の側にも色が付いたらオーブンから出す。合わせて40分くらいのものだ。
次は、ソース・ラパンと呼ばれるソース作り。玉ネギをみじんに切って、ソトゥーズのような底が広い鍋にバターをとって炒める。軽く色が付いてきたら褐色の砂糖カソナードを加えて、少々カラメル状態になるまで炒め続ける。次にビネガーと鶏ガラのブイヨン、ローリエ、丁字を加える。三分の一ほど煮詰めたら、シロ・ド・リエージュ(右のコラム参照)を加えるのだが、なかったら同量のハチミツにする。混ぜ合わせつつ、もう少々煮詰め、塩とコショウで味を調える。小麦粉を同量の水で溶いて加え、とろみをつける。
焼き上がった肉だんごをソースの鍋に入れ、ソースを絡みつけてから盛り付ける。付け合わせはマッシュポテト。(真)
【4人分】
豚肉500グラム、牛肉300グラム、玉ネギ中1個、食パン2枚半、牛乳適量、パセリ適量、卵1個、塩、コショウ。
【ソース・ラパン】
玉ネギ2個、砂糖cassonade大さじ1杯、ビネガー大さじ3杯、鶏ガラブイヨン600cc(あるいは水600cc+ブイヨンキューブ1個)、ローリエの葉2枚、丁字2本、シロ・ド・リエージュ大さじ2杯、バター、小麦粉大さじ2杯、塩、コショウ。
Chair à saucisse
豚肉は中華食品店にでも行かないと挽いてくれないが、フランスの肉屋には、どこでもchair à saucisseと呼ばれる、すでに挽かれて、味が付いている豚肉を売っている。「ソーセージ用の肉」という意味だが、ふつう、トマトやクルジェットなどの詰め物用に使われる。買ってきたものをそのまま使うのではなく、おろしたニンニクや細かくきざんだパセリ、好みではクミンパウダーなどを混ぜ入れたり、と工夫した方がおいしくなる。
Sirop de Liège
ベルギーのリエージュを中心に、リンゴと洋ナシの果汁だけを煮詰めて作られる、ジャム状態のシロップ。色はやや紫色がかったチョコレート色。果物ならではの甘味と酸味が凝縮されていて美味。ベルギー人は、ジャムのようにトーストに塗って味わうだけでなく、今回のようにブレ用のソースや、牛肉のビール煮やウサギの煮込みなどに入れる。パリでは、オランダ系の 「Hema」というチェーン店の食材コーナーに 「Pear & apple spread」という名前で並んでいます。