オーブンをマスターしたい(野菜のロースト)
フランス料理を代表するような、肉や魚のロースト、キッシュ、グラタン、シュークリーム、タルトなどを作ろうと思ったらオーブンが必要になる。というわけで、フランスではほとんどの台所にオーブンが装備されている。オーブンを使うときに大切なことを書き出してみた。
- 肉や魚は、調理をはじめる少なくとも30分前くらいに冷蔵庫から出しておく。
- オーブンの目盛りをのぞみの温度に、タイマーを必要な調理時間に合わせてから点火。パイロットランプが消えたらオーブン皿などに下準備しておいた食材を加える。
- オーブン皿は中段に入れるのがふつうだが、仕上げに焼き色をつけたいときは上段に、パイ生地の底をしっかりと焼き上げたいときは下段に、などというコツがわかってきたらもうプロだ。
- レシピに従ってタイマーをセットしてあっても、オーブンによって熱の伝わり方などに微妙な違いがあるので、ときどき扉ごしに焼き加減をチェックすることを忘れてはいけない。
- 冷めやすい魚料理などで熱い皿がほしいときは、60度で熱くしておいたオーブンに皿を入れるだけでいいというのも便利。
- 長くきれいに使いたいなら、使い終わったらすぐに食器用洗剤、スポンジで掃除。
前回ではオーブンを使ってチキンをローストしたけれど、今回は、肉や魚料理の付け合わせに人気の野菜のローストだ。
タイなどの魚のソテーの付け合わせに、たとえばトマト、ジャガイモ、クルジェットを焼いてみるのはどうだろう。まずオーブンの目盛りを180度に合わせて点火。短時間の調理なので別にタイマーをセットする必要もない。ジャガイモは薄く輪切りにし、ほとんど柔らかくなるまで下ゆでし水気を切る。トマトとクルジェットはジャガイモよりはやや厚く輪切りにする。これを適当な大きさのオーブン皿にきれいに並べる。オリーブ油を振りかけ、軽く塩、コショウ。タイムなどの好みのハーブも振りかけ、熱くなっているオーブンへ入れる。20分ほどで軽く焼き色がついたらでき上がりという簡単さ。オーブン万歳!(真)
Four éléctrique 電気オーブン
新居あるいは引っ越し先にオーブンがなかったらどうしよう。オーブンなしでもできるフランス料理がいろいろとあるんだから、と諦めてもいいのだけれど、ローストビーフやグラタンが好きだったり、果物のタルトを焼いたりしてみたいという人は、買わなければならない。写真のような容量60リットルのもので180€前後。この値段でフランス料理のレパートリーがぐんと広がるなら高くはないだろう。これで、ピッツァも焼ける大きさだし、チキン用のロースターも付いているし、ファン機能chaleur tournanteもある。
Légumes rôtis 野菜のロースト
野菜が豊富に出まわる春、夏になると、週に2回は作るのが野菜のローストだ。たとえば、子羊肉のグリルなら、ジャガイモ、赤ピーマン、トマトを今回のレシピのように準備して、オリーブ油、エスプレット産唐辛子、きざんだタイムの葉やローズマリーを振りかけて焼くのだが、焼き上がる5分前ほどにきざんだニンニクをたっぷりと振りかける。きざみパセリを散らせば、彩りあざやかな付け合わせ。とにかくアイデア次第、いろいろと野菜の組み合わせを考えるのはたのしいことだ。ただ焼いている間にあまり水気が出ない野菜を使いたい。
写真註:ミニピーマンとフェンネルのロースト。魚の南仏風などに最適。
Gratin de macaronis マカロニのグラタン
子どもたちが大好きなマカロニのグラタンです。マカロニ250gをゆではじめる。ソトゥーズなどにオリーブ油少々をとり、おろしたニンニク2片を焦がさないようにちょっと炒める。液状生クリーム400ccを注ぎ、沸騰してきたら火からおろし、おろしチーズ100g、ナツメグ少々、塩、コショウ。アルデンテにゆで上がったマカロニを加えて混ぜ合わせ、オーブン皿にとって20分ほどおいておく。オーブンの目盛りを220度に合わせ、ファン機能もセットして点火。マカロニの上におろしチーズ50g振りかけて熱くなっているオーブンへ。7分ほどで焼き色がついたら完成。ハムなどを添えればメインの一品になる。