2歳〜6歳の子どもに「Fragile! もろい・壊れやすい」をどう説明するか。ラ・ヴィレットの科学産業博物館で開催中の「Fragile!」展は、どんなものがどんな状況で「もろい」のか、どのように扱うべきか、壊れたらどうするかまでを体験できる展覧会だ。
展覧会のはじめの部分には、綿ぼうし、砂の城、クリスマスツリーを飾るガラスのボール、クモの巣など、はかなく、壊れやすいものが展示されている。
展覧会は物語形式で展開される。登場人物は、石鹸のグリッチ、卵のイギー、風船のウィンディ、毛糸の玉プロット、紙のフォリア。彼らが遊んでいるところへ、石のロッキーがやってくる。ロッキーは、自分が一番強く、仲間たちはもろいと思っている。ところが、みんなで遊んでいるうちに強いと自負していたロッキーが割れてしまった。直してくれる人のところへ、みんなで出かけていくことにした。
道中、みんなで川を渡りたいけれど、石鹸が水で溶けてしまうから、紙で舟を折る(ここで大人も子どもも一緒に紙で船を折る)。坂道で花を摘もうとした卵は、坂道を転がり落ちてしまうけれど、その下に毛糸玉が先回りして受け止め、卵は割れなくてすむ。ほっとしていると風が吹いてきて、風船が飛ばされ、木の高い枝に引っかかてしまう。それぞれの肩や頭の上に乗って、卵が風船の引っかかったヒモを解いてやる。
その後は、登場人物を形どったものをトレーに載せて、子どもたちが階段を上り下り、橋を渡ったり、丸太をまたいで運んだりする。不安定さも、もろさの要因となる。バランスを崩せば、卵も落っこちて割れてしまうから、慎重に歩かないといけない。
もろいものは壊れる。展覧会の後半は、割れた石を「直す」。石に開いている穴にヒモを通して「縫い合わせる」、絆創膏を貼ったり、太い輪ゴムで締めたり。直す方法もいろいろあることを学ぶのだ。洋服に開いた穴を繕うこと、布をあてたり、壊れた陶器を「kintsugi 金継ぎ」で直すコーナーもある。
「Câlinerie」には、登場人物がぬいぐるみになったものがあるから、それを撫でたり、抱っこして「いたわってあげる」コーナーだ。床はカーペットが敷かれているくつろぎコーナーのようになっているので、ゴロゴロ寝転がれるのだ。この「Fragile!」展の見学コースが本になったものが置いてあるので、こ展覧会のおさらいができる(この本はサイトで買うこともできる)。もろいって色々なんだな、こんな風に説明だな、と大人も感心してばかりの1時間半だった。
Cité des sciences et de l'industrie
Adresse : 30 avenue Corentin Cariou, 75019 Paris , FranceTEL : 01 85 53 99 74
アクセス : Porte de la Villette
URL : https://www.cite-sciences.fr/fr/au-programme/expos-temporaires/fragile/
12€/9€