ガブリエル・シャネルが生まれたのは19日(8月)。それにちなんで命名された香水が「N°19」。そして今年1月、パリ19区に、シャネル傘下にある11の工房を集結させた 「le19M」がオープンした。パンタンにあった刺繍などのアトリエもここに集め、世界最高峰の職人さんたち600人近くが働く。人気建築家ルディ・リッチオッティの設計したビルは、ガラスの建物を白い糸が覆っているかのような風貌だ。
一般も見学できる展覧会を観に行った。「l’Ouverture オープニング」展は、 le 19Mに入っている11メゾンの仕事を、各工房が使う素材、道具、作品などで紹介(4/23まで。要ネット予約、無料)。実際にシャネルと交流があり、ベージュと黒のコンビの靴を創った 「マサロ」や、ブロンズや真鍮、天然水晶などのアクセリーで知られる「ゴーサンス」をはじめ、刺繍の 「ルサージュ」、「アトリエ・モンテックス」、羽根装飾の 「ルマリエ」、帽子「メゾン・ミシェル」、プリーツ加工の「ロニョン」などの技巧と創造性を見ることができる。
そんな工芸の殿堂でアトリエ(15€)に参加できる。自分の写真を撮ってもらい、それを写した布地に刺繍をする「刺繍で自画像」、ルサージュの職人さんと植物繊維を使ってツイードを織ったり、ロニョン社のプリーツ技術を駆使して大扇子を創ったり。「About a Worker」では革の端切れでチャームを作っていた(空席があれば当日その場で参加可)。
登録なしで無料で参加できるのは、le19Mの周辺の大地図を刺繍で作るコーナー(水・土14h-17h)。完成したらこの建物のどこかに飾られるというから、記念に自分の「ひと針」を刺してはどうだろう。(集)
Broderie participative 自分の一針が大きな刺繍作品に。
ABOUT A WORKER のアトリエ
入口のホールの一角では、別のアトリエが開かれていました。
About a workerというグループが、この建物に入っている工房で出た皮の端切れなどを使って、チャーム(カバンに付ける飾り)を作るもの(参加費は15€)。毎週土曜14h-17hで「空きがあればその場で申し込めますよ」。
Le 19M
Adresse : 2 pl Skanderbeg, 75019 ParisURL : https://www.le19m.fr
水〜土12h-19h。 最寄り駅RER-E線とT3bのRosa Parksから10分。メトロ7号線Corentin Cariou駅近く、Saint-Denis 運河からNavettes fluviales du Millénaire(7h45-19hの 15分間隔、コロナのため週末は運休)に乗ると、終点のLe Millénaire から1分。 M°Front Populaireは閑散としているのでおすすめしません。周辺にカフェがないので水筒持参をおすすめ。