マチュー・ボッセさんの、Les Vignerons Parisiens。

10月25日。前日南仏で収穫されたシラー種のブドウがトラックで到着。有機栽培、ビオディナミのブドウを使っている。醸造、開始!

マチューさん。南仏から届いたぶどうと記念撮影。
パリ3区、アール・ゼ・メチエ界隈を散歩中、”Les Vignerons Parisiens ”の看板を見かけました。聞けば、ワインの醸造所。
ミクロ・ブラッスリーのブームの次は、ミクロ・ワイナリー?近い将来、パリでも手軽に地ワインを飲めるようになるのでしょうか?
この新しい醸造所の若旦那、マチューさんに聞きました。
なぜ、こんな都心に醸造所を?
「パリは1㎡あたり、ワインの消費量が一番多い都市なんです。でも消費するだけ。パリジャンだって、近くでワインが作られれば、飲みたがるはずなんです」…話を聞いている間にも近所のマダムが入って来て、2015年*のボトルを6本、若いカップルは2本、買っていく。
「父親がワイン商で、私もワイン輸出入の会社を設立しましたが、やっぱりワインが作りたい!でも、パリは離れたくない。じゃ、パリでワインを作っちゃえ、って」…人生、欲張るといいことありますね!
「モンマルトルでは年600本のワインを作っているけれど市が運営。ここは、パリ唯一の民間ワイナリー!マルセイユにも同じような醸造所がある。パリでも醸造所が増えて、習慣が定着するといいな」…ブドウも地産のものだったら、もっといいと思いますよ!
「醸造、ブドウ栽培、経営、それぞれの担当者と4人で会社を立ち上げました。この醸造所はヴァンサンとふたり、醸造からビン詰めまで、販売、試飲会、醸造講座などをやっています」。10月〜11月にかけて、まだシミひとつない醸造所で初めての醸造が行われた。今、地下のカーヴで熟成中のパリ醸造100%の酒は、来年春以降発売予定。おふたりがんばって!新酒、楽しみにしてます。(六)

「醸造所」とはいってもパリ3区、敷地も小さくすべてが「親指姫」サイズ。醸造機器も、イタリア製小規模生産用のもの。

しぼりかすは、シャンパーニュにある蒸留所に持って行く。しかし、ただ持っていくのではない。塊をほぐしたり、容器を入れ替えたり、どの作業も手間と時間がかかるのだ。

「うまい酒を楽しく飲める場所にしてほしいね!」 見学、試飲会などの日程、申し込みはサイトから。パリでも醸造所見学ができるようにするのも、マチューさんの願いだった。

*醸造所では、Les Vignerons Parisiens 2015年を販売。昨年南仏のブドウを南仏で醸造したもの。
赤3種:Turbigo (サンソ-100%)、Les Templiers (グルナッシュ100%)、Haussmann(シラー100%)。
白2種:An 508 (グルナッシュ・ブラン100%)、Lutèce(ヴィオニエ50%、グルナッシュ・ブラン40%、ルッサーヌ10%)。

キュヴェ2016年は、地下のカーブで熟成中。飲めるのは、来年の春以降!

「僕たちは、親の世代より、どこで・どう作られたものを、食べ・飲むのか、気にする世代。ウチのワインは、地産地消を意識する人たちにも受け入れられると思う。」マチューさんの相棒、ヴァンサンさん。ボーヌで醸造学を学び、ここでは醸造、醸造所見学、試飲会まで担当。

Les Vignerons Parisiens
Adresse : 55 rue de Turbigo, 75003 ParisTEL : 01.4493.7297
URL : www.lesvignerons.paris
