ロシアの厚いクレープがブリニ(ロシア語ではブリヌイ)。フランスでもクリスマスや新年になると、スモークサーモンの脇役として登場する。作り方はそれほどむずかしくない。安上がりだし、自分で作って客をビックリさせたい。そのふっくらとした柔らかさ! どこかクスリ臭い市販品が食べられなくなる。
パン屋さんでlevure de boulanger と呼ばれる生イースト1個(なぜか41グラムで、1ユーロ前後)を買ってくる。牛乳300cc を人肌に温める。そのうちの50cc で生イースト20 グラムを溶かし、さらに砂糖、塩をそれぞれ小サジすり切り1 杯加え、温かいところに10分も置いておくと、細かい泡がいっぱい立ってくる。
なるべく大きなボウルにふるいにかけた小麦粉を350グラムとる。これでブリニの大きさにもよるが、10枚ちょっと焼けるはず。真ん中をくぼませて、よく割りほぐした卵3個分の黄身と先ほどの牛乳+生イーストを加え、丁寧に混ぜ合わせる。残りの牛乳も少しずつ加え、最後に大サジ2杯分のバターを溶かして混ぜ入れれば、ドロリとした種になる。ボウル全体を布巾でくるみ、室温で2時間ほど寝かせます。すると種は2倍ほどにふくらんでいるはずだ。ここへさっき使わなかった白身をしっかりと泡立てて加え、泡がつぶれないように優しく混ぜ合わせれば準備完了。
専用の小さなフライパンもあるが、ふつうのフライパンで十分。弱火にかけ、バターを敷いて、お好み焼きの要領で
1センチほどの厚さに種を広げてから焼き上げ、大きかったら四つに切り分ける。できあがったものは、布巾に包んで弱火のオーブンに入れて冷めないようにしておき、まとめて食卓へ。
ブリニがお供するのは、スモークサーモンやチョウザメesturgeonの燻製、ロールモプスrollmopsというニシンの酢漬け、そしてキャビアは予算外なのでイクラやタラマ…。アネットの葉、サワークリームも忘れずに添えたいものだ。サワークリームといっても作り方はいたって簡単だ。30%以上と乳脂肪分の高い生クリームを用意する。これにレモンの搾り汁を加えて、丁寧に混ぜ合わせ、しばらくおいておくだけだ。生クリームとレモンの割合は、生クリーム200ccに対してレモン半個です。
飲み物は,もちろんキンキンに冷やしたウォッカ。(真)