ボクシングファンでもない私がこの作品に惹かれたのは、監督マガリ・リシャール=セラノ自身が元ボクサーだったから。監督の自伝部分が多く、20歳の主人公は複雑な家庭環境、家庭よりもボクシングを優先してきた父親に育てられた自分を省みる。 顔をめちゃめちゃに叩かれるにはもったいないほどのきりっとした美少女(主人公役を演ずるルイーズ・スズパンデルがとてもいい)。一つのことに熱中するのが若さならば、そのことにきっぱりと別れを告げることができるのもやはり若さ、とラストシーンを清々しく見送った。父親役のリシャール・アンコニナ、母親役のマリア・ド・メディロスなど脇役も充実していてうれしい。(海) | ![]() |
