Pizza alla napoletana
最近ピッツァをよく作る。お世辞にしろイタリア人の友人にもほめられたくらいだから、紹介してみます。まずはシンプルというか基本のナポリ風から。
ピッツァ生地 pâte à pizzaは、ちょっと手抜きして市販のものを使うのだが、オーブンプレートいっぱいに広げられるような長方形のものを選びたい。
おいしいピッツァの秘訣は、おいしいトマトソース。イタリアの友人は「トマトをみじんに切って散らしてもいいんだよ」というけれど、今ごろのフランス産トマトは甘みも酸みも薄いので避けたほうがいい。ぼくは、MuttiとかPettiとかのイタリア産完熟トマトが原料の缶詰〈 pulpe de tomates〉を使って作ることにしている。400グラムの缶を鍋にあける。オリーブ油、塩、コショウ、砂糖、皮をむいた丸ごとのニンニクを加え中火にかける。沸騰してきたら弱火にし、ふたをして20分ちょっとたったら、マッシャーやフォークでトマトとニンニクを丁寧に押しつぶす。きざんだバジリコの葉も加え、ふたをとって煮詰めるようにしながら、もう10分ほど火を通す。大さじ8~10杯くらいの分量になったら、火からおろし冷ましておく。
油漬けアンチョビーanchois à l’huileをキッチンペーパーの上に並べて油を切る。モッツァレラチーズは7、8ミリほどの厚さに輪切りにする。
このへんでオーブンの目盛りを200度に合わせて点火。
ピッツァ生地を、包装に使われている硫酸紙ごと慎重に広げ、はみ出た紙はハサミで切りとる。その上に冷めたトマトソースをまんべんなく敷き、モッツァレラチーズも均等に置き、その上にアンチョビーを並べ、オレガノを散らし、オリーブ油少々も振りかけ、好みでは黒オリーブも置いて、熱くなっているオーブンに入れる。モッツァレラに軽く焼き色がついてきたら、オーブンから出し、硫酸紙ごとプレートからすべらして、大きなまな板の上にでも置いて食卓へ。ピッツァ用の辛い香味油やタバスコソースを添えれば、『ブラーヴォ!ブラーヴォ!』(真)
ピッツァ生地1枚、アンチョビー12尾くらい、モッツァレラ150~200g、オレガノ(ドライ)、オリーブ油
トマトソース:トマトの缶詰400g、オリーブ油大さじ2杯、ニンニク3片、
バジリコの葉10枚ちょっと、砂糖小さじ半杯、塩少々、コショウ
Pizza au thon
4人でたっぷりピッツァを食べたいときは1枚では足りない。そこでもう一枚、たとえばツナ風味をあらかじめスタンバイさせておく。缶詰めのツナを使うのだがオリーブ油漬けがいい。トマトソースにそのツナの香りがついたオリーブ油を混ぜ入れて、ピッツァ生地の上に敷く。ツナをほぐしながら散らし、モッツァレラを置き、ツナだけでは味が物足りないのでアンチョビーも並べる。瓶詰めのアルティショー(アーティチョーク)を、二つに切り分けてのせたりしたら文句なし。オレガノを振りかけ、最初のピッツァが焼けたら、すかさずこの2枚目をオーブンへ。
Pâte à pizza
別にHerta印の宣伝ではないけれど、ぼくが愛用している薄くfine、長方形 rectangulaireのピッツァ生地です(390グラム)。もちろん厚くépaisse、円形 rond のものも市販されている。薄いか厚いかは好みだけれど、長方形のいいところは大きく焼けること。とにかく、生地を作る手間が省けるのがありがたい。ピッツァだけでなく、甘く炒めた玉ネギやアンチョビー、黒いオリーブをたっぷりのせたニース名物のピサラディエールやアルザス名物のフラメンクッシュも気楽に焼くことができる。
Flammekueche
フラメンクッシュを作ってみよう。オーブンの目盛りを220度に合わせて点火。玉ネギ1個は二つに切り分けて薄く切る。ポマード状生クリーム(乳脂肪30%)200gとフロマージュ・ブラン (乳脂肪40%)100gを混ぜ合わせる①。今回のレシピのごとく、オーブンプレートに薄めのピッツァ生地を硫酸紙ごと広げ、さらに指先で押しながらできるだけ薄くしたら①をまんべんなくのばし、その上に玉ネギとラルドン200gをばらまき、コショウを挽きかけ、おろしたナツメグ少々も振りかけ、熱くなっているオーブンへ。15分ちょっとできれいな焼き色がついたらでき上がり。