非核を訴え続ける核物理学者。

フランスで40年以上綿綿と続けられている非核運動。

フランスで40年以上綿綿と続けられている非核運動。

 10年前から毎月、フランス国防省の門前で抗議する人たちがいる。朝、昼と夕方、10人ほどが〈核兵器廃絶〉の横断幕を掲げる。
 「99%の役人が無視しようと目線をそらし«イランに言え»«ロシアで抗議しろ»などと言う人もいる。でも、続けることが大切です。以前は核兵器賛成派は核抑止力には«皆、賛成»と言っていたが、オランド大統領も含めて«反対の声もあるが、多くが賛成»という言い方に変わった」と言うドミニク・ラランヌさん。95年、博物学者テオドール・モノらが始めた〈Maison de Vigilance警戒の家〉運動に加わった。ラランヌさんは国立科学研究所の核物理学者だが、当時、非核派の学者は稀だった。
 〈警戒の家〉は、戦略空軍司令部(大統領の指令で核兵器のボタンが押される場所)が置かれていた、パリ近郊タヴェルニー空軍基地の脇の家を、核兵器に反対する人々が共同で買って運動の拠点としたもの。ここで原爆の日の断食(6日〜9日、4日間)が86年に始まり、今年も8月、約80人がパリで断食をした。毎月行われる国防省前の抗議運動も、タヴェルニー基地前での毎週の抗議を引き継いだものだ (タヴェルニーの司令部は閉鎖され、〈警戒の家〉もパリに移転した)。
 原爆の惨事はフランスにとって人ごとではない。核兵器を開発・製造し続け、210回の核実験で多くの被害者を出してきた国だからだ。フランスが保有する300発の核爆弾のうち、96発は使用可能な状態にある。世界全体では1万6千発、うち2千発が随時、発射可能だ。
  ラランヌさんの運動の形態は様々。欧州議会や大統領府、省庁顧問らとの面談、陸軍の核抑止力に関する討論会に招かれたり、原爆の日に追悼式をするなど一般市民へのアピールも行う。
次なる目標は、核兵器禁止条約の締結だ。(美)

※次回の国防省門前抗議は9月4日(毎月第一金曜日)。
8h-9h/12h-13h/16h-17h (参加者は黒装束)。
国防省は移転したため、新しい建物での初抗議となる。
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