窯(かま)が違う、生地が違う。本場ナポリのピッツァ!

 パリ20区、ピレネー駅近くに本格的なナポリのピッツァが食べられる店がオープンしたと聞いたのは昨年11月末。無類のピッツァ好き、ナポリには毎年足を運んでいる私としては、試さずにはいられない。いつも大繁盛で予約必須と聞いたので電話をすると、聞こえてくるフランス語の中に確かなイタリア語のアクセントが感じられ、心が躍った。
 ナポリの有名店のような無骨な店構えを勝手に想像していたのでシックな内装に驚いた。タコのサラダが品切れで、連れは前菜に野菜のグリル(8.5€)を、私はムール貝とハマグリのソテー(11€)を選ぶ。野菜のグリルには、ナス、ズッキーニ、赤ピーマンのグリルと新鮮なルッコラ、完熟ドライトマトにボッコンチーニがごろごろ入っている。ソテーは貝の身を汁に浸そうとした瞬間、パンが底に敷いてあるのに気がついた。貝の汁が存分にしみ込んだパンの美味しいこと。ナポリで食べた魚介類のソテーにもこんなふうにパンが沈ませてあったことを思い出してうれしくなった。
 ピッツァ職人はナポリ出身、窯もナポリから陸路運び、設置したという本気のピッツァは、実際にナポリで多く見られるビアンカ(白)と呼ばれるトマトソースなしが14種類(9~17€)もある。さっそくその中から「Napoli」の名を冠したビアンカにしてみた。かむほどに濃厚なミルクの風味あふれる水牛モッツァレラと、シチリアはアグリジェント産のアンチョビーは、確かにソースなしで具材を吟味するに値する。肝心の生地は衝撃のもっちり度。そう、ナポリのピッツァはカリッとでもさくっとでもない、この「もっちり」が重要なのだ。
 デザートにはナポリ名物、ババを注文。ラムシロップの染みわたった、しっとり軽いブリオッシュは、これまた私をナポリへ運んでくれた。マレ地区の名店〈Pozzetto〉のジェラートもおすすめ。(み)

Il Posto

Adresse : 356 rue des Pyrénées, 75020 Paris
TEL : 01.4366.1858
12h-14h30/19h-23h。無休。 - 日曜営業 - 祝日営業 - 22時以降営業