BLOG : 小沢君江通信

Le démon de midi(昼の悪魔)(5)

人生半ばの50代、事業も順調、子供も巣立ち、家では妻とテレビの前で無言で送る毎日。昼時、仕事がひと段落し、新聞でも目をとおすかと思う、そんなとき、気の許せる若いセクレタリーか、心に思っている彼女とどこかで逢い引きし、かつての青春の思いをもう一度…と思うのでは。エルベ・バザンの小説『Le Démon de minuit(...

Tirer son épingle du jeu(窮地を脱する)(4)

〈Tirer son épingle du jeu〉(きわどいところを救われる)の由来は15 世紀の少女たちの遊びの一つで、壁に円を描き、その中に刺してあるピンにボールをぶつけてピンを落とすゲームから来ているとみられる。たとえば、竹ひごを使ったゲーム、ミカドをしながら、2、3本が重なり合っている時に、そーっと息もつかず...

フランス初の麻薬注入室開設。

©bing.com/images    フランスの大麻(cannabis)常用者の増加*は言うまでもなく、コカインやヘロインの多量摂取による欧州での死者は年間約6100人(2012年)にのぼる。今日、フランスのエコロジー派のなかには、1970年麻薬禁止法を解禁すべしという声が上がっている。30年前から、麻薬の...

Droit dans ses bottes(冷静沈着) (3)

どんな困難にぶつかっても動揺せず騎士や軍人のように背筋をのばしている姿勢。たとえば、次期大統領候補を目指しているジュペ(元首相談・現ボルドー市長)のことをメディアはしばしば〈Il est droit dans ses bottes〉(落ち着いて構えている)と表現し、感情的、衝動的に大言壮語する政敵サルコジ前大統領との間...

Travailler d’arrache-pied!(休まず働く)(2)

〈d'arrache-pied〉の語源は不明だが、17 世紀の辞書編者アントワーヌ・フルティエールによる字引(1690)には、〈d'arrache-pied〉は「猛烈に働くあまり、そのエネルギーで足が地から離れる状態」だという。後のアカデミー・フランセーズの辞典によると、むしろ「休むことなく」の意味が強い。例えば、〈I...

Faire chou blanc(失敗する)(1)

16世紀の九柱戯〈jeu de quilles〉(今のボーリング)で、〈coup blanc〉(空振り)の〈coup 〉を仏中央部ベリー地方では〈chou〉(シュー:キャベツ)と言っていたので、〈faire chou blanc〉 と言えば、外れる、失敗すること。庶民の間で人気のあった〈jeu de quilles〉は...

ガリア人を演じるサルコジに 元腹心顧問が裏切りの暴露書

シャルリ・エブド(16-9-28)ガリア人:忘れたい先祖。 遊遊説中に、国民戦線FN党のマリーヌ・ルペンが「フランスの自由」「人民(ピープル)の主権」などとドゴールの孫娘を演じれば、サルコジ前大統領はそのうえを行く。「我々は皆、ガリア人の子孫」と言い放つ。そういえば12年の前大統領選前にもサルコジ候補はくどいほど、...

60年来の傷跡、アルキー問題。

9月25日、オランド大統領はアンヴァリッド内庭で、アルジェリア戦争(1954-62)後、引きずってきたアルキー問題に関し「フランス政府が彼らを見捨て、アルジェリアに居留まったアルキーへの、フランスに敵対した住民による虐殺と、祖国解放後フランスに来た彼らへの非人間的待遇に対するフランス政府の責任」を正式に認めた。2012...

オモニエは、服役者の過激化を防げるか。

オモニエ(aumonier)とは、学校や病院、養護施設、軍隊、刑務所など公共施設に配属されるカトリックなら神父のこと。その歴史は長く、最初に7世紀のベネディクトII世が「貧者への施し」(aumonerie)をなして以来存続している。以前ギロチンで処刑される前に、オモニエ(神父)が死を前にした死刑囚に祈祷してくれたものだ...

女性テロリストの出番。

シャルリ・エブド(16-9-14)「(捕まった後なので)今週は落ち着けるわ」 9月3-4日の深夜、ノートルダム大聖堂広場に違反駐車していた車のトランクから5個のガスボンベと爆発物が見つかる。広場前のレストランのギャルソンが警察に通報し爆破テロを未然に防ぐ。車内にあったタバコの吸い殻で容疑者がわかる。すでにテロリ...