BLOG : 小沢君江通信

Être chocolat(一杯食わされる)101

〈chocolat〉とは、チョコレートの他に、20世紀初頭、パリのサーカス小屋で肌が黒いので「ショコラ」という名で親しまれた黒人パフォーマーとつながる。〈Je suis chocolat〉は「一杯食わされた、当てがはずれた」だが、マクロン大統領がスト中の大学生に向って〈Examen de chocolat〉といって「い...

新空港建設反対50年の闘いの勝利

©Rémi Barroux(Le Monde : 18-4-26)  仏西部ロワール・アトランティック県はナントに近い農業地帯、ノートルダム・デ・ランド(人口約2100人)に新空港建設計画が生まれたのは1963年のこと。60年代は、日本なら全共闘による成田空港建設反対闘争が繰り広げられ、フランスも70〜80年代...

C’est un zigoteau (彼は目立ちがり屋)100

前大統領オランドは何かにつけ、若いマクロン大統領のなすこと、いうことにケチをつけ、「彼はまだ子どもだ」と側近たちにいう。マクロンはマクロンで、引退後メディアで言いたいことを言い、新著『Les Leçons du pouvoir』(権力の教え)を出版したオランドを口数が多すぎると批判し〈C’est un zigoteau...

マクロン大統領、自閉症問題に立ち向かう

「自閉症:目覚め」(Libération : 18-4-6)  フランスには、子どもから大人まで自閉症(autisteオティスト)の人は約65万人(人口の1%)いる。自閉症児の80%は入学できず、家庭で面倒を見ざるをえない親たちの苦情をよくテレビ報道などで耳にする。フランスはEUの他の国に比べこの分野の遅れが著...

Avoir froid aux yeux(怖い)99

〈Ne pas avoir froid aux yeux目〉と否定形でいえば「怖くない」、目の他に〈Avoir froid au dos〉背中が寒ければ、やはり「怖い」を意味し、〈Avoir froid aux dents〉歯が寒ければ「空腹」、〈Avoir froid aux pieds〉足が冷えれば「嫉妬する」を意...

Mettre sa main au feu(確信をもって説得する)98

中世の神判制度で、赤熱の鉄棒を手に握らせられ負傷しなければ無罪と判定された。〈Mettre sa main au feu火に手をおく〉とは、3日後に手が火傷も負ってなかったら、潔白であると判定された。傷痕の程度によって刑の重度も決まった。自分がいっていることが信じてもらえないときなど、〈Si je mens je su...

前代未聞のフランス国鉄スト。

国鉄スト:なぜ続くのか( Le Parisien : 18-4-4) 4月3日に開始された国鉄組合員スト(「SNCFの改革なるか」: 3月5日付BLOG参照)は、6月28日まで3カ月間、5日ごとに2日間のストが繰り広げられている。毎日、通勤者たちは長距離バスや車の相乗りで3、4時間かけて職場にたどりつく涙ぐまし...

ISメンバーのテロとユダヤ人老婦人殺害事件

「英雄とは?」(L'OBS : 18-3-29) 3月23日、南仏カルカッソンヌ東のトレーブ市のスーパーで1人のISメンバーが従業員1人を含む3人を射殺(15人負傷)後、アルノー・ベルトラム憲兵中佐(44)と2時間以上にらみ合い、レジ係の人質女性の身代わりになった中佐に発砲し喉をナイフで刺し殺害した。28日アン...

Les dés sont pipés(八百長)97

動詞〈piper〉は狩猟のときに、鳥の鳴き声を真似て、鳥を近づけること。狩猟用語からゲーム用語として使われるようになり〈Les dés sont pipés〉というと、(そのサイコロはいんちき)で「八百長」のこと。でも〈Il ne pipe pas / pipe peu〉は「声も出さず沈黙する」を意味する。...

Tombé du camion(盗品)96

 〈Un produit tombé du camion〉は(トラックから落ちた物)ではなく、20世紀前半に使われるようになった表現で、〈Un produit volé〉(盗んだ物)とはっきり言わずに、婉曲的に「Tombé du camion」と言えば、領収書もなく、どこからか盗んできた物を意味する。誰かに何かをプレゼ...