この場合の〈plat〉 は料理の皿ではなく、川の「浅瀬」などで流れのない場所の意。〈Mettre les pieds dans le plat〉は、そんなところに足を突っ込んで澄んでいる水を濁らせることで、「ぶしつけに微妙な問題に触れたり、ヘマをする」こと。会話言葉の〈gaffe〉(ヘマ、不手際)を使うなら、動詞の〈g...
ジャガイモまたはサツマイモとも丸っちい形をしていてエネルギーを与えてくれるので、〈J'ai la frite〉(ポテトフライ)も〈J'ai la patate〉(サツマイモ)もはち切れんように元気なこと。反対に〈Je n'ai pas la frite / la patate〉というと、「調子が悪い、元気がない」。似た...
〈pêche〉(モモ)は古代中国からインド、中東、ルイ王朝に達しルイ14世の大好物になった。以来〈avoir la pêche〉(モモを持ってる:元気がいい)がよく使われる。果物や野菜名は俗語表現によく出てくる。〈avoir du blé小麦〉、〈avoir de l'oseille スイバ〉は「金を持ってる」、〈ne...
〈Tapis〉(絨毯、カーペット)はアパルトマンやシャトーになくてはならないもの。それだけ会話にも頻繁に出てくる。エリゼ宮に国賓を招く時はいつも「赤絨毯」が敷かれる。しかし〈Il se prend les pieds dans le tapis〉(絨毯に足が絡まる)は、「何かに失敗しうまく行かなくなる」こと。〈Cac...
マルゴはマルグリットを短くした愛称で田舎や地方の町で愛用される。ブラッサンスがシャンソンの中で〈Quand Margot dégrafait son corsage マルゴがコルセットのホックを外した時…〉と歌い、アルフレッド・ミュッセは〈Vive le mélodrame où Margot a pleuré マ...
戦後のビクターレコードのマスコット、正座し耳をかしげる陶器のワンちゃんを覚えている人もいるだろう。フランス語の〈en chiens de faïence〉(陶器の犬)は、ブルジョワのサロンの本棚や暖炉の両脇に向かい合って正座している陶器のイヌのことで、今の若い人にはなじみがないと思うけど、ちょうどオランド大統領とヴァル...
この表現は20世紀後半のもので、なぜ西にいると頭がボーっとなるのか表現の由来ははっきりしていない。パリから見ると西方にブルターニュがあり、陽も西に沈むことくらい。同じ意味の別の表現として、〈avoir la tête ailleurs〉「心ここにあらず」〈être dans les nuages〉「頭にもやがかかる」〈...