BLOG : 小沢君江通信

フランスは、がん治療が無料

 フランスで2017年に新たにがんが見つかった人は約40万人、死亡者数15万人(男性8万4千人、女性6万6千人)。抗がん剤やX線治療を続けている人も合わせると数十万人の人ががんと闘っていることになる。  2000年2月、当時のシラク大統領はがん対策をフランスの三大課題の一つとして、「がんと闘うパリ憲章」に調印。国立が...

イタリアの政治混迷状態の突破口は?

イタリアのポピュリスト政権ジョゼッペ・コンテ新首相 (Le Monde : 18-5-25)  ここ数年、財政赤字対策のためEU委員会から厳しい節減政策を強いられてきたイタリアではEU懐疑派が増えていた。3月4日イタリアの総選挙で「アンチシステム(反体制)」を謳う極右党「同盟」(37%)とポピュリスト系「...

Bras d’honneur(ブラ・ドヌール)105

これは言葉ではなく、あざけりのみぶりで、左腕を直角に曲げて拳を握り、右手で左腕の折れたところをつかむ動作で、誰かを侮蔑するときの下品で卑猥な動作。左腕を曲げるのは勃起したペニスを折る意味。この動作の言われは、1337-1453年の英仏百年戦争の戦場で英軍に捕えられた仏兵は人指し指と中指が切断され、弓が引けないようにされ...

仏戦闘機産業のシンボル、ダッソー・グループ2代目セルジュ会長死去。

ダッソー帝国2代目死去。不快な一連の疑惑を遺す。(Libération: 18-5-29)  ダッソー戦闘機といえば、フランス産業の花形。初代マルセルに継ぐ2代目セルジュ・ダッソーが5月28日、93歳で亡くなった。ダッソーといえばマルセル(1892-1986)の名がまず思い浮ぶほど息子セルジュの名は影に隠れがち...

Avoir le cafard(憂うつ)103

台所の大敵〈cafardゴキブリ〉には「憂うつ」という意味もある。16世紀の〈cafard〉の語源は、アラビア語の〈kafir不信心者〉からきているといわれ、信仰家ぶる「えせ信者、偽善者」を意味していた。また「ふさぐ、意気消沈」を意味する〈Avoir le cafard〉は、1857 年に出版されたボードレールの『悪の...

Ça fait un bail(長い間)102

〈bail〉は「賃貸借契約」のこと。住居や店舗の契約期間はだいたい3年、6年、9年。そのほか、永代賃貸借(emphytéotiques)のように18〜99 年の契約もある。よく旧知の友人同士に再会したときなど、〈Ça fait un bail〉「ずいぶん会わなかったな」や、〈Ça fait un bail que je...

オペラ座地区のテロリストはチェチェン人

「パリでまたテロ。テロ犯は要注意人物」Le Parisien(18-5-14) 5月12日夜、オペラ座界隈で「イスラム国(IS)」のメンバーと名乗る男がナイフで通行人男性(29)を刺殺し、4人負傷させ警官に射殺された。パスポートも身分証も持っていなかった犯人の顔の画像分析により、犯人(20)は、3歳のとき両親と...

6カ月後、ニューカレドニアが独立国になるか。

ニューカレドニアの紋章 5月3 〜5日、仏大統領として30年来、初めてマクロン大統領が太平洋の仏領ニューカレドニアを訪問した。11月4日に予定されているニューカレドニアの独立を問う住民投票をひかえ、165年以来のフランスとニューカレドニアの関係を追ってみよう。 1774年に英海洋探検家ジェームズ・クックが島を...