Avoir le cafard(憂うつ)103

台所の大敵〈cafardゴキブリ〉には「憂うつ」という意味もある。16世紀の〈cafard〉の語源は、アラビア語の〈kafir不信心者〉からきているといわれ、信仰家ぶる「えせ信者、偽善者」を意味していた。また「ふさぐ、意気消沈」を意味する〈Avoir le cafard〉は、1857 年に出版されたボードレールの『悪の華』にも出てくるが、英語の〈spleen憂うつ〉に相当する。動詞〈Cafarder〉は「密告する、つげ口をする」こと。