BLOG : 小沢君江通信

ジハーディスト仏敗残兵の帰還を許すべきか。

アルホル収容キャンプ(AFP : 19-3-14)  2013年以降フランスから約2千人の青年がイスラム国(IS)兵となるためにシリアに渡り、そのうち最低305人が戦死したと言われている。3月15日付のルモンド紙は、昨年末以来、ISの最後の陣地バグーズから400キロ北方のシリア民主軍(SFD)が管理するネコの額ほど...

僧衣の下に隠されてきたもの。

バチカン会議開会の日(AFP)     聖職者による未成年者性虐待を暴露する映画『Grâce à Dieu 』(神のご加護(仮題):オゾン監督)が公開中だが、長年教会という聖なる要塞の中で僧衣を着た神父や司祭が、聖書の伝道者としてボーイスカウト活動や賛美歌少年合唱団の児童たちに思いのままに性暴力を働き、今...

Tête de turc(トルコ人の頭)128

 十字軍時代にまで遡らなくても、17-18世紀ムーア人(古代ローマ人が北西アフリカ人に与えた呼称)やトルコ人は残虐非道の野蛮人と見られていた。 17世紀には〈Fort comme un Turc〉(トルコ人のように強い)という表現が出始め、19世紀の大道芸人の中に腕力測定器を使かったアトラクションが現れた。トルコ人を表...

アンチセミティズムとアンチシオニズムの牙が見え隠れする。

(Le Figaro.fr: 19-2-12)  2月16日、3カ月以来、全国で恒例になっているジレ・ジョーヌ(黄色いベスト)運動の最中、14区のモンパルナス界隈で哲学家でアカデミーフランセーズ会員、フィンケルクロート氏が義母に付き添って歩いているところを、彼に向かって「畜生、うせろ!シオニスト野郎」「死ね」「破廉...

ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト)の行方。

2月16日パリのジレ・ジョーヌ行進(AFP)  昨年11月17 日に燃え上がった「ジレ・ジョーヌ」(黄色いベスト)運動は、車が不可欠な地方・過疎地の庶民のガソリン・燃料費値上げに対する怒りが発火点となった。それは法定最低賃金(SMIC: 税込 1520€)労働者や片親家庭、苦しい定年生活者、微々たる生活手当に甘んじ...

〈Il fait un froid de canard〉(ひどい寒さ)126

〈canard〉(アヒル)はあまり恰好良くないので、とかく卑下されがち。〈canard〉は18〜19世紀の三流新聞を指していた。今日、1916年創刊のCanard enchainé 紙は、政財界スキャンダル暴露紙として知られる。〈canard boiteux びっこのアヒル)は「落伍者、重荷になる人」、〈Marcher...

内戦化するジレ・ジョーヌ運動に高校生、大学生も合流。

 「黄色いベスト(ジレ・ジョーヌ)運動」第4弾(12/8-9)を控え12月4日、フィリップ首相が政府の妥協案として、ガソリン・軽油の増税を6カ月間保留にし、新年から予定されていた燃料費の値上げも6カ月間凍結するという危機脱出のための政府案を発表した。しかしトゥ―ルーズのジレ・ジョーヌ代表始め同運動参加者たちは「増税の延...