Tête de turc(トルコ人の頭)128

 十字軍時代にまで遡らなくても、17-18世紀ムーア人(古代ローマ人が北西アフリカ人に与えた呼称)やトルコ人は残虐非道の野蛮人と見られていた。
17世紀には〈Fort comme un Turc〉(トルコ人のように強い)という表現が出始め、19世紀の大道芸人の中に腕力測定器を使かったアトラクションが現れた。トルコ人を表すターバンを巻いた頭を象った絵図が測定器の突端に据えられ、どれだけ強く打ち込めるか楽しむようになった。したがって誰かに向かって〈Tête de turc〉とあざけると、誰からも頭を打たれる者を愚弄し侮蔑する表現として定着した。
 日常会話でよく耳にする〈Toilettes/wc à la turque〉は、日本の昔風便器のようにかがむ式だが、両脇に足置き場があるので、排水時に素早く身をかわさないと足元がびしょ濡れになる危険性もある。〈WC turc〉は12世紀頃、ベルギー人が考え出し、3世紀後オスマン帝国の入植者が突端に穴を開け、改良したとか。そしてフランス人が排水用の引き紐をつけたそう。50〜60年代には、この〈WC turc〉が一般的だった。田舎では今も使われていることがある。