BLOG : 小沢君江通信

国民戦線党の集団架空雇用疑惑の真相。

 3月9日深夜、フランス2 の疑惑調査番組(Complément d'enquête)が、マリーヌ・ルペンが率いる国民戦線党FNの欧州議会を利用した大規模な架空雇用疑惑の真相を報道した。2月以来、共和党大統領候補フィヨンの妻ペネロープと子供2人の架空雇用疑惑が国民の政治家に対する不信を深めているなかで、FNが欧州議会を...

Manger sur le pouce(急いで食べる)50

19世紀に産業が盛んになり、労働者たちはテーブルについて食べるひまもなく、ナイフもフォークもなく立ち食いし、パンをもぎってハムなどは親指でつまんで食べていたことから、〈Manger sur le pouce〉(親指で押して食べる)とは、「急いで食べる」ことを意味するようになった。 ...

Rouler dans la farine(手玉にとる)49

〈Je le roule dans la farine〉(彼を粉でまぶす)とは「彼を手玉にとり、自由にあやつる」こと。〈Les gens de même farine〉は、一見すると似ているが同類の仲間であることで「おなじ穴のムジナ」を意味し、17世紀以来、フランス語では軽蔑的表現として使われるようになった。どうして小...

Être dans les vapes(もうろう状態)48

1920年代の俗語〈vape〉は〈vapeur〉(もうろう状態)から来ており、アルコールや麻薬などにより「もうろうとした状態」を指していたが、60年代からは〈Tomber dans les vapes〉「気を失う、気絶する」にも使われるようになった。 ...

フィヨン大統領候補:選挙運動中に被疑者に。

シャルリ・エブド(17-3-15)「がんばれ、フィヨン ! あと40日」  1月25日付カナール・アンシェネ紙が暴露したフィヨン共和党候補の妻ペネロープと子供2人の架空雇用疑惑ペネロープゲート(1986 〜2013年彼女は83万ユーロ受給)暴露の報道にもめげず、右翼国民戦線党FNのマリーヌ・ルペンを破れるのは自分し...

Fier comme Artaban(すごく傲慢な)47

〈Artaban〉とは、17世紀の歴史小説作家ラ・カルプレネード(1609-63)が書いた『クレオパトラ』(13 巻)に出てくる人物アルタバンから来ている。アルタバンはこの上なく傲慢至極、尊大な男として描かれており、〈Fier comme Artaban〉「アルタバンのように傲慢」という表現が生まれた。 ...

Être un ours mal léché(粗野で非社交的)46

フランス語では17世紀頃から、肉体的に〈ours〉(熊)が表現に出てくるようになった。小熊は、大きくなるまで母熊に全身をなめられながら保護される。18世紀から〈Être un ours mal léché〉(母親によくなめてもらえなかった熊)は、社交的でなく、粗野で、とじこもりタイプの人を指すようになった。 ...

En avoir sa claque(もうたくさん)45

今日〈claque / claquer〉というと〈gifle / gifler〉(平手打ち)ととられるが、昔、ピカルディ地方などの乳牛産地で、充分に牛乳が搾れたとき、〈J'ai ma claque〉(牛乳が充分搾れた)と言い〈claque〉は分量を指していた。19 世紀になると「もうたくさん」を意味するようになった。 ...

Avoir le béguin pour … (…に恋している)44

12世紀ベルギーのリエージュにランベール・ルベーグ神父が創設した修道院ベギン会の修道女たちが被った薄いベールの付いた頭巾のことを「ベギン帽」と呼ぶようになった。以後ベギン帽は婦女子の流行りの帽子となり、16世紀には〈J'ai le béguin pour elle〉と言うと、「彼女に恋している」こと。...

児童虐待をめぐる沈黙の壁を破る。

Le Parisien紙(17-3-1 )「児童虐待:沈黙の壁を破る」 日本でも児童虐待問題が話題になってから久しい。日本の厚生労働省の統計では、2012年の児童虐待件数は66,701件にのぼり2000年 に比べて5.6倍増えているという。  フランスでは20年ほど前から家庭内暴力(DV)による女性被害者の死(3...