〈Je le roule dans la farine〉(彼を粉でまぶす)とは「彼を手玉にとり、自由にあやつる」こと。〈Les gens de même farine〉は、一見すると似ているが同類の仲間であることで「おなじ穴のムジナ」を意味し、17世紀以来、フランス語では軽蔑的表現として使われるようになった。どうして小...
〈Artaban〉とは、17世紀の歴史小説作家ラ・カルプレネード(1609-63)が書いた『クレオパトラ』(13 巻)に出てくる人物アルタバンから来ている。アルタバンはこの上なく傲慢至極、尊大な男として描かれており、〈Fier comme Artaban〉「アルタバンのように傲慢」という表現が生まれた。
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フランス語では17世紀頃から、肉体的に〈ours〉(熊)が表現に出てくるようになった。小熊は、大きくなるまで母熊に全身をなめられながら保護される。18世紀から〈Être un ours mal léché〉(母親によくなめてもらえなかった熊)は、社交的でなく、粗野で、とじこもりタイプの人を指すようになった。
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12世紀ベルギーのリエージュにランベール・ルベーグ神父が創設した修道院ベギン会の修道女たちが被った薄いベールの付いた頭巾のことを「ベギン帽」と呼ぶようになった。以後ベギン帽は婦女子の流行りの帽子となり、16世紀には〈J'ai le béguin pour elle〉と言うと、「彼女に恋している」こと。...