Être une bonne poire(お人好し)84

19世紀の風刺画家はよくルイ-フィリップ王の似顔絵をいびつにしたナシで表したという。〈Une poire molle柔らかいナシ〉は「優柔不断」、〈Une bonne poireうまいナシ〉は「簡単に人に利用されるお人好し」、〈Prendre quelqu’un pour une poire〉「〜をバカにする」〈Quelle bonne poire, ce type!〉「あいつ、なんて間抜けなんだ!」。よく使われる表現〈Couper la poire en deuxナシを2分する〉は「2等分し妥協する」。でもどうしてモモやリンゴでなくナシでなければならないのか。資料によると、それは1880年以降に使われだした表現で、〈La poire en deux〉と題する韻文笑劇で2人の噺家が互いの朗読部分の持ち分について争う笑劇から〈Couper la poire en deux〉が一般化したといわれている。また〈Faire avaler des poires d’angoisse à quelqu’un 〜に渋いナシを食べさせる〉は「〜を苦しませる」というふうに、ナシはあまりいい意味には使われない。