〈Il a trente balais〉(彼は 30歳)147

日本では60歳は12支を一巡するから還暦、70は古希、喜寿(70)、傘寿(80)、米寿(88)、卒寿(90)、白寿(99)、百寿(100)、茶寿(108)…珍寿(112以上)と、各年齢にめでたい漢字が使われている。

フランスでは年齢にそれほどの意味を与えずに、もっと大雑把に〈Il a cinquante balais〉(彼は50歳)。どうして歳を〈Balai箒〉で表すようになったかというと、1938年頃、〈J’ai 29 ans et des poussières〉(ぼくは齢29 )という表現が表れ、当然、〈Poussièreほこり〉をはき清める〈 balai箒〉につながった。そのいわれは、サイクリングレースの時などで脱落したレーサーなどを拾い上げていく〈Voiture-balai〉からヒントを得ているという説も。

歳を表すもう一つの言葉として寸法や基準を表す〈Pige〉がある。〈ELLe a quarante piges〉(彼女は40歳)、また誕生日に結びつけて〈ELLe a trente bougies〉または、ひと春ごとに年が刻まれるように〈ELLe a vingt-cinq printemps〉とも言える。