ちょっと待って!その連れ帰りはハーグ条約の対象かも!

日本でハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)が発効して、もうすぐ6年です。例えば、フランス人と結婚した、フランスに住んでいる日本人が配偶者の同意を得ずに子どもと日本に帰国した場合、「子の連れ去り」をしたとして、ハーグ条約の対象になる場合があります。事例を元にハーグ条約の内容について学んでいきましょう。

日本人女性Aさんは、留学中にフランス人男性Bさんと出会い、フランスで結婚しました。その後、AさんとBさんの間に子どもが生まれ、3人でフランスで生活していました。
ところが、AさんとBさんの間にケンカが増え、Aさんは日本への帰国を考えるようになりました。ある日、Bさんの海外出張中にAさんは黙って子ども(5歳)を連れて日本に帰りました。
Bさんは、Aさんからの「子どもは日本で育てます。」とのメールで子どもが日本に行ったことを初めて知りました。Aさんにメールをしても返事がありません。Bさんは子どもをフランスに取り戻すために、ハーグ条約に基づき子どもの返還をフランス中央当局(司法省)に申請しました。

Aさんにやむを得ない理由があったとしても、ハーグ条約が適用されるの?

ハーグ条約が適用されるためには、①子どもの年齢が16歳未満、②移動する前にいた国と移動した先の国が条約の締約国、③残された親の監護の権利が侵害される形で子どもが国外に移動されたなどの条件があります。この事例の場合、①子どもは5歳,②日本とフランスはハーグ条約の締約国、③Bさんは子どもが日本に行くことに同意していませんので、ハーグ条約の対象になります。
(ハーグ条約では、両親や子どもの国籍に条件はありません。なお、フランスでは法律上結婚していない場合であっても、父親に子どもの監護の権利が認められる場合があることには注意が必要です。)

子どもをフランスに戻すためにBさんがとれる方法は?

Aさんと話し合いで解決することができない場合、①弁護士など第三者が間に入り、当事者同士が話し合いを進める裁判外紛争解決手続(ADR)機関を利用する、②子の返還裁判を申し立てる(子どもが日本に移動した場合、返還裁判は日本で行われます)などの方法をとることが考えられます。外務省に返還援助申請をすれば、外務省からADRや裁判手続のための弁護士紹介などの支援を受けることができます。

Aさんが断固として子どもをフランスに返さないと主張したら、強制的に引き離されるの?

裁判で返還決定が出たにもかかわらず、Aさんが決定に従わない場合、Bさんは間接強制と代替執行の申立てを行うことができます。代替執行では、裁判所の執行官らがAさんと子どものいる家に出向き、子どもの返還を強制的に執行します。

Aさんはどうすれば良かったの?

黙って子どもを連れて日本に移動した場合、フランスでの刑罰の対象にもなり得ます。帰国を決断する前に、お子さんの移動についてBさんの同意を得ておく、同意を得られない場合は裁判手続を利用してお子さんの移動や監護につき整理しておくことが望ましいです。

この状況で、例えばドイツなどの第三国に引っ越すことになったBさんが無断で子どもをドイツに連れて行った場合にはハーグ条約は適用されるの?その場合にAさんがとれる方法は?

フランスとドイツは締約国なので、この場合もハーグ条約が適用されます。Aさんはフランス中央当局またはドイツ中央当局に援助申請をすることができます。

子どもとの移動やハーグ条約について相談したいけど、どこに相談したらいいの?

ご不明なことがありましたら、外務省ハーグ条約室までご連絡ください。
電話:+81 (0)3-5501-8466 (平日9~17時 日本時間)
メール:hagueconventionjapan@mofa.go.jp
URL:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/hague/index.html

フランス国内の法的な手続についてはフランスにいる弁護士に、日本で行われる返還裁判のことについて(子どもが外国から日本に連れて行かれた場合)は日本の弁護士にご相談ください。

ハーグ条約の動画はコチラ


 

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