サン=ドニ住民の映画の日 (2月6日〜12日)

ヨーロッパで激賞される富田克也監督特集も

外国でも、他の星でも、旅に出たい気持ちを掻き立てるポスター。

 2001年、つまりは新世紀の到来とともに、パリの隣のサン=ドニ市で誕生した映画祭 ”Journées cinématographiques dionysiennes”(サン=ドニ住民の映画の日)。19回目の今年は2月6日(水)から12日(火)まで開催される。「L’INVITATION AU VOYAGE / 旅への誘い」をテーマに、旅情をかきたてる古今東西の名作・珍作・問題作70本を一挙上映だ。基本的にほぼ一回上映なので、プログラムとにらめっこし、観たい作品をお見逃しなきように。

さぁ、宇宙へ!(左)ジョルジュ・メリエス『月世界旅行』(1902)、(右)『2001年宇宙の旅』(1968) Collection Chrisrophel © Metro Goldwyn Mayer

 映画プログラマー、オリヴィエ・ピエールさんの映画愛が凝縮され、隅々まで目が行き届いた闘魂のラインナップ。ジョルジュ・メリエス『月世界旅行』やリュミエール兄弟『ラ・シオタ駅への列車の到着』などの映画創世記から、プレストン・スタージェス『サリヴァンの旅』、ピーター・ボグダノヴィッチ『ペーパー・ムーン』、ヴィム・ヴェンダース『さすらい』、リチャード・フライシャー『ミクロの決死圏』、ジム・ジャームッシュ『デッドマン』、スタンリー・キューブリック『2001年宇宙の旅』、フェデリコ・フェリーニの『道』、ヴェルナー・ヘルツォーク『アギーレ / 神の怒り』、ジャック・リヴェット『北の橋』など、改めてスクリーンで堪能したい定番も盛り沢山。さらに、ともに昨年のカンヌで話題を呼んだイランのジャファール・パナヒ『Trois visages』、中国のビー・ガン『Un grand voyage vers la nuit』など、世界映画の最前線まできっちりと押さえる。

ヴィム・ヴェンダース監督『さすらい』(1976)、(右)ジョニー・デップ主演、ジム・ジャームッシュ監督・脚本の『デッドマン』(1995)。

 郊外の公共映画館一館のみが会場の映画祭とは思えぬほど、毎年ゲストが豪華なのも自慢だ。好きな映画人がいれば、直接あなたの映画愛を伝える絶好の機会になるだろう。今年はジャック・ロジエ(『メーヌ・オセアン』上映!)、トニー・ガトリフ、ロベール・ゲディギャン、ポール・ヴェキアリ他の映画人が来場する。

 また、日本映画にも注目だ。2月9日(土)から11日(月)まで、『サウダーヂ』『バンコクナイツ』がヨーロッパでも激賞された富田克也の特集がある。オリヴィエ・ピエールさんは、「彼はたった四本で現代日本映画で最重要監督の一人となった」と形容している。今回は富田監督と脚本家の相澤虎之助が参加し、初長編作品『雲の上』など、フランス未公開作品も含めた富田ワールドを紹介する贅沢な特集上映だ。

富田克也監督・シナリオ相澤虎之助氏らのマスタークラス(2月10日、18h30)も。『バンコクナイツ』撮影中の富田克哉監督。

 2月10日(日)18h30からは、富田監督と相沢氏のマスタークラスが実施されるのでぜひ駆けつけたい。また、同映画祭とパートナー関係を結ぶキノタヨ映画祭では、2月9日(土)に鬼才・瀬々敬久監督の『菊とギロチン』が上映され、こちらにも相澤氏が登壇予定となっているので楽しみだ。この冬はキノタヨ映画祭、シネマテーク・フランセーズでは「日本映画の100年」もあるしで、正直、日本映画ファンには体が引き裂かれる思いである。(瑞)

Journées cinématographiques dionysiennes
2019年2月6日(水)から12日(火)まで
映画祭パス 21€/一回券7 €/割引6 €/25歳以上の学生4,50 €/25歳未満4€

サン=ドニ住民の映画の日 公式プログラムはこちらから。

上映カレンダーはこちらから。

公開されて間もない中国のビー・ガン監督『Un grand voyage vers la nuit』(2018)まで網羅。

 


CINÉMA L’ÉCRAN

Adresse : Place du Caquet , Saint-Denis , France
アクセス : M⑬Basilique de Saint-Denis 駅下車0分(地下鉄の出口の隣)
URL : www.lecranstdenis.org/wp-content/uploads/2019/01/jcd-2019-programme-bd1.pdf