食コラム

ルソーの静かな食卓 〈2〉

 18世紀に活躍した哲学者ルソーは、自らがもっとも重要な著書としていた『エミール』(1762年)で、「節制と労働、この二つこそ人間にとっての本当の医者だ。労働は食欲を増し、節制はそれが過度になるのをふせぐ」(今野一雄訳) […]

Le Café Alain Ducasse カフェに注ぐデュカスの情熱と遊び心。

 ボンマルシェにほど近い、シェルシュ・ミディ通りにアラン・デュカスのカフェがオープンした。世界中を回って買い付けた豆は、この2月にカフェを併設してオープンしたバスティーユの工房で焙煎されている。 エスプレッソはブラジル、 […]

ルソーの静かな食卓 〈1〉

 ジャン=ジャック・ルソー(1712〜1778年)は、18世紀のフランスを舞台に活躍した異端の思想家だ。ヨーロッパ中でベストセラーになった恋愛小説『新エロイーズ』(1761年)、自由な社会について論じた『社会契約論』(1 […]

ノルマンディーの作家と食〈34〉

 フランス文学を代表する作家であるフロベールは、50代半ばで経済的に苦しい生活を強いられるようになった。そんな事情について、師であり友人である作家のジョルジュ・サンドに宛てて1875年の8月にこんな手紙を書いている。 「 […]

ノルマンディーの作家と食 〈33〉

 『ブヴァールとペキュシェ』(1881年)を執筆中のフロベールは、1879年の大みそかに姪のキャロリーヌに疲労を訴えている。「今日のように、疲れにすっかりやられてしまう日々には、私には筆を持つ力さえもないのです!私には休 […]

ノルマンディーの作家と食 〈32〉

   フロベールの遺作となった『ブヴァールとペキュシェ』(1881年)には、世間から見放されている人物が何人か登場する。  その中でも、食に興味がある読者がどうにも気になってしまうのが、大食漢のマルセル。「捨子 […]

ノルマンディーの作家と食 〈31〉

 フロベールの傑作『ブヴァールとペキュシェ』(1881年)の主人公ふたり組は、ノルマンディー地方の農園を手に入れると、夢中になって野菜や果物の栽培に打ち込む。フロベール自身も農業に対する憧れがあったのか、皮肉たっぷりの著 […]

ノルマンディーの作家と食 〈30〉

 フロベールの代表作には、まるで約束事のように大勢で食卓を囲む風景が出てくる。『ボヴァリー夫人』(1857年)では婚礼を祝う田舎の祝宴が、『感情教育』(1869年)ではパリの大画商宅での趣向を凝らした夕食が読者に深い印象 […]

ノルマンディーの作家と食 〈29〉

 1880年に亡くなったフロベールの遺作となった小説『ブヴァールとペキュシェ』(1881年)は、一種の壮大な百科事典のようにも読める。準備にあたって、フロベールは何千時間も園芸や科学、歴史などの本を読みふけった。また、老 […]

ノルマンディーの作家と食 〈28〉

 フロベールの作品中、実体験に基づいて書かれている要素が最も多いのが『感情教育』(1869年)だ。先に見たように、この作品の主人公フレデリック同様、作者も人妻への叶わない恋を追いかけ続けた。アルヌー夫人を思慕しながらも、 […]

ノルマンディーの作家と食 〈27〉

 フロベールの『感情教育』(1869年)は、主人公フレデリックの個人的な生活を追う小説でありながら、パリの歴史を知るための重要な資料としても役に立つ。 物語が展開するのは1840年から1851年。パリでは、1848年に二 […]

ノルマンディーの作家と食 〈26〉

『感情教育』(1869年)の主人公フレデリックは、作家になりたいと思ったり画家になりたいと思ったり、未来の目的が定まらない優柔不断な若者だ。でも、この作品の作者であるフロベールは、まるで作家になるために生まれてきたような […]