食コラム

ノルマンディーの作家と食 〈33〉

 『ブヴァールとペキュシェ』(1881年)を執筆中のフロベールは、1879年の大みそかに姪のキャロリーヌに疲労を訴えている。「今日のように、疲れにすっかりやられてしまう日々には、私には筆を持つ力さえもないのです!私には休 […]

ノルマンディーの作家と食 〈32〉

   フロベールの遺作となった『ブヴァールとペキュシェ』(1881年)には、世間から見放されている人物が何人か登場する。  その中でも、食に興味がある読者がどうにも気になってしまうのが、大食漢のマルセル。「捨子 […]

ノルマンディーの作家と食 〈31〉

 フロベールの傑作『ブヴァールとペキュシェ』(1881年)の主人公ふたり組は、ノルマンディー地方の農園を手に入れると、夢中になって野菜や果物の栽培に打ち込む。フロベール自身も農業に対する憧れがあったのか、皮肉たっぷりの著 […]

ノルマンディーの作家と食 〈30〉

 フロベールの代表作には、まるで約束事のように大勢で食卓を囲む風景が出てくる。『ボヴァリー夫人』(1857年)では婚礼を祝う田舎の祝宴が、『感情教育』(1869年)ではパリの大画商宅での趣向を凝らした夕食が読者に深い印象 […]

ノルマンディーの作家と食 〈29〉

 1880年に亡くなったフロベールの遺作となった小説『ブヴァールとペキュシェ』(1881年)は、一種の壮大な百科事典のようにも読める。準備にあたって、フロベールは何千時間も園芸や科学、歴史などの本を読みふけった。また、老 […]

ノルマンディーの作家と食 〈28〉

 フロベールの作品中、実体験に基づいて書かれている要素が最も多いのが『感情教育』(1869年)だ。先に見たように、この作品の主人公フレデリック同様、作者も人妻への叶わない恋を追いかけ続けた。アルヌー夫人を思慕しながらも、 […]

ノルマンディーの作家と食 〈27〉

 フロベールの『感情教育』(1869年)は、主人公フレデリックの個人的な生活を追う小説でありながら、パリの歴史を知るための重要な資料としても役に立つ。 物語が展開するのは1840年から1851年。パリでは、1848年に二 […]

ノルマンディーの作家と食 〈26〉

『感情教育』(1869年)の主人公フレデリックは、作家になりたいと思ったり画家になりたいと思ったり、未来の目的が定まらない優柔不断な若者だ。でも、この作品の作者であるフロベールは、まるで作家になるために生まれてきたような […]

パリ市がバゲットコンクールの審査員募集!

 パリ市は、第24回パリ・バゲットコンクールの審査員を募集中。パリ市内のパン職人が出品し、このコンクールで大賞に輝けば、エリゼ宮に1年間パンを納品することになるという、数あるパン・バゲットコンクールの中でも元祖的なもの。 […]

ノルマンディーの作家と食 〈25〉

フロベールの『感情教育』(1869年)の主人公は、ノルマンディー出身の青年フレデリック。船上で出会ったアルヌー夫人にひとめぼれをしたフレデリックは、夫人への手がかりとして、まずはパリの著名な画商であるアルヌー氏に近づこう […]

ノルマンディーの作家と食 〈24〉

 フロベールの『感情教育』(1869年)は、文学青年のフレデリックが、偶然同じ船に乗り合わせた人妻のアルヌー夫人にひとめぼれする場面で始まる。「フランスのウォルター・スコットになりたい」と、文学への野心を持っていた若きフ […]

ノルマンディーの作家と食 〈23〉

19世紀フランスの文豪フロベールは、外科医の父が務めるルーアンの私立病院で生まれ、院内の一画に設けられた家で育った。地下のカーヴには、ブルゴーニュやボルドー、シャンパーニュなどの銘酒が実に400本も納められており、来客の […]