芸術の灯、夜の野外上映会。

壁に映写される映画を観る人たち。

 パリ5区のカルチェ・ラタン。毎週金曜、映画館La Clef 脇の壁面がスクリーンに変わる。外出制限中の4月から野外上映会が始まり、外出制限解除後は遠方の人も参加可能に。これまで上映されたのは『狩人の夜』『紅の豚』など。5月23日はアルベール・ラモリスの『赤い風船』が選ばれた。

 日没の21時頃、どこからともなく人々が集まる。弁当やマイチェア持参の人もちらほら。10人以上の集まりは禁止のはずだが、パトカーは通ってもお咎めなし。一人で来たというシリルさんは、「まるで『ニュー・シネマ・パラダイス』。この時期に映画の良さが身に沁みる」と笑顔。しかし、この上映会の裏側には複雑な事情がある。

 実は映画館La Clefは法的には存在しない。元はケスデパーニュ銀行の企業運営委員会が所有するアソシエーション形態の映画館。アフリカ映画の紹介で出発し、世界映画を年300本上映してきた。2018年4月に建物売却を理由に閉鎖されたが、昨年からは有志グループが建物を占拠し上映会を継続。この野外上映会は、「芸術の灯を消さない」という同グループの決意表明でもある。

 地べたに座るカロリーヌさんとイヴさん夫婦は、「銀行の決定は残念。お金はありそうだし、文化メセナでいた方がイメージがいいはず」と首をかしげる。銀行は裁判を起こしており、6月8日に判決が出る。(瑞)


 

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