冬の味覚の王様でサイレント・ナイト。

 エトワール広場からほど近いアカシア通りに、ひときわ目を引く漁師小屋風たたずまいのお店。ブルターニュ地方のブレストから直送される、冬の味覚の王様、カニを豪快に味わうことができるのがここだ。
 漁網が飾られた雰囲気満点の店内には、テーブルクロス代わりに敷き詰められたブレスト版の新聞紙。そして、テーブル中央には、木のまな板と、大小2種類の木づちがセッティングされている。うわさ通り、店内のあちこちから「トントン、バンバン」と木づちで叩く音。そう、ここはカニの殻を木づちで叩いて割って食べる、嬉しくなるような豪快なスタイル。シックな装いの紳士も、前掛けエプロンを子供のように下げて、豪快にカニの殻を叩き飛ばしている。カニはトゥルトーと呼ばれる、ヨーロッパ・イチョウガニ。大きなツメにぎっしり入った身が特徴だが、その殻はとても硬い。もちろん食べ方にはコツがあり、まず足を全てもぎ取り甲羅と胴体を外し、胴体は、足の付け根の部分から半分にスライスするようにナイフを入れると、抱き身の部分もきれいに食べられる。もぎ取った足は、お待ちかねの木づちでトントン。強く叩きすぎないのがコツ。ちょうど太鼓を叩くように、打撃の瞬間に引き戻すようにすると身がつぶれない。ツメの部分が一番固いので、大きい木づちで思い切って叩こう。木づちを振るう楽しい作業に会話もはずむ。
 カニを食べる時についつい無口になるのは万国共通。木づちの音を響かせながら、静かにカニと格闘し、中に詰まったカニ身をいかに食べ尽くすかに集中。クリーミーかつジューシーな身とコクのあるカニみそたっぷりのカニは一匹25€前後で、値段やメニューは漁の具合によって多少変動する。カキやホタテも、もちろん鮮度抜群の直送品。デザートにパリ・ブレストがあるかどうかは予約時に聞いてみよう。さて、憎いあんちくしょうを思い浮かべながら叩き割れば、ストレス解消にも?(高)

Le Crabe marteau

Adresse : 16 rue des Acacias, 75017 paris
TEL : 01.4409.8559
12h-14h30/19h30-22h30。日休。