食い意地なら負けません。

 ミラは甘いものが大好き。時々、どうしてこんなに食い意地が張っているのか驚いてしまうこともあるほど。それは多分、ジルがミラには体に良いものだけを
与えたいという思いから、BIO製品以外の菓子を買い与えなかったせいかもしれない。パーティに呼ばれて普通のお菓子を前にした時、ミラはここぞとばかり
にお菓子を頬張る。その顔は頬袋を持ったシマリス並だ。おかげで仲良しのクララの家に遊びに行った時、ミラの食い意地を目にしたクララのパパに「食べ物を
与えてないの?」と笑われる始末だ。
 それでもこの食い意地は便利なこともある。ジルは「体に良くない」と嫌がるが、私は楽をするため朝食に市販のコーンフレークを出すことがある。そんな時
はどんなに熟睡していても、ミラの耳元で「コーンフレークがあるよ。起きないと食べちゃうよ」とささやけば、必ずぱっと起きてくれる。これで遅刻知らずと
いうわけだ。

 だが先日のこと。真夜中にミラが突然目を覚まし、「ガトー・ア・ラ・フレーズ!(イチゴケーキ)」と連呼しながら泣き出した。フランス語の寝言の出現に
日本人母としては軽い敗北感を味わいつつ、同時にあまりの彼女の食い意地っぷりに正直あきれてしまった。しかも寝ぼけて、私の顔を見ながらしきりに怒って
いる。私が夢でイチゴケーキを横取りでもしたのだろうか。どうせ、母は万年汚れ役なのだ。(瑞)