ママ友はできたけど…。

 日本語に「ママ友」という造語がある。子供を介してママ同士が友だちの時に使う。私もミラを託児所に預けてから、フランス人のママ友ができた。中でもミラと仲良しのギャスパーとルシールのママとは、かなり親しく付き合っていた。

 だがある時、ギャスパーとルシールのママが大喧嘩を始めてしまった。そしてなぜかルシールママは、喧嘩のやりとりメールを私の家にまで転送してくるよう
になった。最初のメールを読むと、どうもギャスパーママがルシールママの義兄を誘惑し、大金を借りたが返さない云々といった内容だった。だが、私は続きが
読みたくないので、次々来るメールをすぐに削除した。二人の争いは静まらず、託児所の責任者に知れ渡るほど険悪になるばかり。そのころには、私も争いにう
んざりしていたので、ミラには悪いが、なんとなく彼女らとの付き合いを避けるようになった。それでも、特にギャスパーママからはいまだに遊びの誘いが来
る。その度に理由をつけて断るのだが、ついに先日電話口で、「いい加減にしてよ、近いうちに必ず電話して」と捨てぜりふを吐かれ、電話は切れた。日本人の
私としては、「これだけ断っているんだから、ちょっとは察して」と思うのだが、フランスに以心伝心的思考回路はないのだ。そうして小心者の私は、はっきり
とした態度を取れずに、今日も電話のベルに怯えるのであった。(瑞)