託児所はかわいそう?

 映画やテレビで見る限り子守りは楽そうな仕事だ。赤ちゃんはベッドで寝ているか、ママが読書している横で一人遊びしていたりする。だがそん
なイメージは虚像だった。娘と一緒だと自分のことはできない。読書なんて論外だ。後追い期にあるミラは、私の足にコアラのようにぴったりくっつき離れな
い。自分がユーカリの木にでもなったような気がして面白いが、これが四六時中だとうんざりする。私は家で原稿を書くことが多いが、日中は娘のコアラ攻撃を
受け、とても仕事に手がつけられない。しかもミラは昼寝の時間が短い。となると夜中に仕事となるが、体力的にきつい。そこで頭に浮かぶのが託児所
creche municipaleだ。

 以前パリで市役所に託児所の申請に行き、「17区は特に競争率が激しい。まず無理」と言われた。ブローニュ市も状況はあまり変わらないとは思ったが、こ
のまま仕事ができないのは、極貧者のジルの給料を当てにできない身としては辛い。フランスでは小さな子を託児所に預けるのは日本よりも抵抗がないようで、
ジルも託児所には賛成だ。

 早速、近所の託児所のリサーチを開始する。その後日本の母から、「幼い子に託児所は可哀想」とのメールが届く。だが私は幼少時、いつも首から鍵をぶら下
げた鍵っ子だったのだ。それで不幸だった記憶もない。遠くから言いたいことを言う母のメールは、ちょっと勝手に思えたが、これも孫可愛さなのだろう。
(瑞)