ミラを連れて里帰り。

 ミラが3カ月のころ、8月の丸一カ月、親子3人で日本に滞在した。長時間の飛行機は子供には辛いものだが、ミラくらいチビだとかなり寝ていてくれる。医者からは、「赤ちゃんには離着陸時に飲み物を飲ませれば、耳がつーんとするのを防げる」とアドバイスされた。

 日本に到着し、早速両親に孫の顔を見せる。あんなに出産に反対だった母も、男の子を欲しがっていた父も、「あんたが小さいころよりずっと可愛いねえ」と
目尻を下げっぱなし。さて2年ぶりとなる久々の里帰りは会いたい人が多く、日々移動ばかりとなる。汗っかきの赤ちゃんは衣装変えの回数が結婚披露宴顔負け
なので、特に荷物がかさばるもの。それに加え、海を越えてわざわざベビーシートまで持ってきてしまったが、仏版シートはなぜか日本の車に装着できず、結局
別のものをレンタルするはめに。そのレンタルシートにミラを乗せて、軽井沢の山荘や秩父のキャンプにも出かけてみた。

 ジルと私の大きな大きな楽しみは温泉だった。シャワーしか付いていないパリの住まいに心底辟易していた私は、日本滞在中、何度温泉や銭湯に足を運んだか
わからない。ミラはもちろん温泉は初体験だ。初めてといえば、彼女が生まれて初めて飲み物以外の固形物、卵豆腐を食べたのも日本。初めて口に含んだ時の、
ミラの「あれっ」と驚いたような表情を忘れられない。(瑞)