男の子? 女の子?

 妊娠も中盤戦を過ぎ、おなかもどんどん丸くなってきた。胎児の成長はうれしいが、後戻りできない時限爆弾にも思えてくる。出産が現実味を帯
びてくると、いろいろな不安が沸き上がる。こんな計画性のない出産でよいものか、ママになる資格はあるのか、やりたいことができなくなってよいのか、妊娠
がわかる直前まで煙草を吸っていたが大丈夫だろうか…。産まれてくる子のイメージができないことも不安をあおる。私は鼻ぺちゃの日本人だが、ジルは滑り台
のような鼻のザ・ガイジンだ。ハーフは可愛いという幻想があるけれど、こんな両極端のタイプの顔が混ざるのは、やはり相当変ではないか。しかもジルは強力
な天然パンチパーマ。女の子だったら困るだろうな。ついに夢の中には顔のない赤ちゃんまで登場した。情緒不安定からか、一度ささいなことで笑ったら、その
まま泣き笑いに突入してしまうことが多くなった。

 いよいよ定期検診の日、エコグラフィーのおかげで性別がわかることに。この時はジルも仕事を早く切り上げ、駆けつけてくれた。ジルは男女どちらでもうれ
しいと言っていたが、私はひそかに男の子を産んでマザコンにしようと企んでいた。ところが、結果は女の子。「あーあ」。思わずもれてしまったため息。それ
を聞いた先生は「それじゃあ私が赤ちゃんをもらっちゃうよ」。恥ずかしくて顔が真っ赤になった。(瑞)