コロン内相のドタバタ辞任劇にマクロン政権揺らぐ。

*10月3日付リベラシオン紙:「リヨン人のギャグ」

 大統領選挙1年前からマクロン陣営に加わり、大統領の側近中の側近だったジェラール・コロン内相(71)が10月2日に辞任した。メディアによる一方的な辞任発表とすったもんだの辞任劇に、国民の多くはあきれているだろう。8月末のユロ環境相に続く大物閣僚の辞任にマクロン政権は大揺れに揺れている。

 ことの始まりは、9月18日、再来年春の市議会選挙でリヨン市長の座を目指して選挙準備に専念するため欧州議会選挙後の来年5月末に内相を辞任するというコロン氏のニュース誌上での発言だった。ユロ辞任の衝撃が冷めやらない時期、8ヵ月も先の辞任を宣言したコロン氏はその後、1日にマクロン大統領に正式に辞意を伝えたが拒否され、翌2日に再びフィガロ紙上で辞職を固持。大統領も受け入れざるを得なかった。7月のベラナ事件で大統領府に全責任を押し付けた頃からマクロンとの関係にひびが入ったようで、その後、政府への批判的発言も目立つようになった。

 リヨンの某市会議員によると、2001~17年にリヨン市長を務めたコロン氏はリヨン市政に戻るため9月辞任で大統領と合意していたが、ユロ辞任という状況変化で約束を反故にされたために、メディア発表という強硬手段に出たという。コロン辞任当日、腹心のジョルジュ・ケペネキアン=リヨン市長は辞任を届け出た。近く市議会議員互選でコロン氏がリヨン市長に返り咲く予定だ。しかし、2020年の市議会選となるとコロン氏の思惑通りに事が運ぶとは限らない。世論調査によると57%のリヨン市民はコロン氏の4期目の市長就任に反対している。

 内相の椅子を投げうってまでなぜ市長に戻りたいのか?モロワ元リール市長(28年間)、ジュペ=ボルドー市長(計21年間)の例を挙げるまでもなく、フランスでは市長職に強い愛着を示す政治家は多い。一国一城の主、市長職を保持すれば、ほぼ終身的に独占できる。中央の政治に関わる間は自分の腹心に市政を任せて時期がくれば返り咲く。リヨン生まれのコロン氏も国政よりは16年間「君臨した」リヨンのほうに執着があるのだ。

 いずれにせよ、ユロに続く重鎮の辞任はマクロン政権の不安定さを露呈した。大統領は内閣改造で巻き返しを狙っているようだが(10月10日現在)、政権は発足1年半にして、大きな危機を迎えている。(し)