オービュッソン・国際タピスリー・センター

日本人として唯一、オービュッソンの織物職人として活躍する許斐 (このみ)  愛子さん。

 現在は英国人作家、J.R.R.トールキン自らが描いた挿絵をトレースし、タピスリーにする企画が進行中。これまで3枚が完成しており、特別展示室で鑑賞できる。日本人として唯ひとり、現地の織物職人として活躍する許斐 (このみ)愛子さんによると、オービュッソン・タピスリーの魅力は「伝統的技術を守りつつ、各時代に合わせ変化し続け、常に現代性を取り込み繁栄する道を模索しているところ」。その姿勢は、このトールキンのタピスリーからもうかがえる。オービュッソンでは古くからホメロスの『オデュッセイア』など、文学作品の一場面が作品のモチーフに使われた。やがてこの伝統は下火となったが、本企画では映画『ロード・オブ・ザ・リング』の原作者として若い世代に支持されるトールキン作品を、昔ながらの製織技術を駆使しながら、タピスリーによる文学の語りの伝統につなげる意図もある。

 近年、テキスタイル・アートが注目されている。2013年にパリ、16年にドイツで大規模なタピスリー展があり、今年に入ってからもポンピドゥー・センターのシェイラ・ヒックス展、テート・モダンのアニー・アルバース展などの個展が話題だ。国際タピスリー・センターのディレクター、エマニュエル・ジェラール氏は、「90年から2010年くらいまで、タピスリー産業は低迷していた。現在、テキスタイルの素材や手工芸への関心の高まりから人気が盛り返している」と指摘する。見て楽しむテキスタイルの元祖タピスリー。オービュッソンは伝統を縦糸、時代の息吹を横糸に、21世紀もタピスリー文化を織り続けている。(瑞)

『指輪物語』の英国人作家J.R.R.トールキンの挿絵からタピスリーを制作。

現存する最古のオービュッソン産タピスリー「千花模様の一角獣」。

INFORMATION

パリ・オーステルリッツ駅からBrive方面の列車でLa Souterraine駅下車。La Souterraine駅から長距離バスに乗り換え、 Aubussonまで一時間半。総所要時間は最短で約4時間半弱。早朝にパリを出発し昼に現地着、夕方Aubussonから出発しパリに夜遅く到着する弾丸ツアーも可能。

企画展は一般 8€ / 割引 5.5€ / 18歳未満は無料
火曜休。1月は全日休館。

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Cité internationale de la tapisserie

Adresse : Rue des Arts, 23200 AUBUSSON , FRANCE
URL : www.cite-tapisserie.fr