「ミスター ル・マン」 レーシングドライバー 寺田陽次郎さん

terada_le_mans 6月18日・19日、パリから南西200kmに位置する町ル・マンで、第84回 ル・マン24時間レースが開催される。アメリカのデイトナ24時間レース、ベルギーのスパ・フランコルシャン24時間レースとともに「世界3大耐久レース」のひとつに数えられ、その中でもル・マン24時間レースは一番難しいコースと言われ、難しいからこそ多くのレーサーをとりこにしている。このレースと40年以上の長くそして深い関わりを持つ現役レーシングドライバー、寺田陽次郎さん、通称「ミスター ル・マン」が現地入りされていると聞き、早速お話をうかがった。

 

子供の頃から動くもの、特に自動車が大好きだった寺田さん、初運転はなんと小学3年生(!)。座ると足が届かないので立って運転していた。

中学生の頃にHONDAがF1に初参加。それをテレビで見てレーサーにあこがれるようになる。と同時に「車は日本車なのに、なぜドライバーは外国人なのか?」という素朴な疑問を感じ、いつか日本車で、日本人レーサーとして世界のひのき舞台に立ち日の丸をあげたいという夢がふくらむ。

その後寺田さんは、MAZDAの契約ドライバーとして日本国内のレースで大活躍。1971年には、圧倒的な強さを誇っていた日産スカイラインGT-Rの50連勝を止めるという歴史的な勝利を収める。

同年に公開されたスティーブ・マックイーン主演のカーアクション映画「栄光のル・マン」をみて、世界のひのき舞台に立ちたいという、忘れていた子供の頃の夢が再びよみがえる。そして1974年、何の情報もなく、とにかく行きたいという気持ちでチームを作りル・マン24時間レース初参戦。

 

それから、寺田さんとル・マン24時間レースとの関係はどんどん深くなっていく。初参戦から現在まで、4回のクラス優勝を含めた出場回数は合計29回。これは日本人として最多出場記録であるばかりでなく、現役レーサーとしては世界最多記録でもある。

レース参加以外にも、2003年にル・マン24時間レースの主催者であるACO(Automobile Club de l’Ouest – フランス西部自動車クラブ)の理事に任命され、翌年にはACO Japan(現 JLMS)を設立。2006年にはル・マン24時間の精神を象徴する人物に与えられる、Spirit of Le Mans賞を日本人で初めて受賞。

 

また2013年には、東北大震災で被害を受けた子供達を支援するプロジェクト Support Our Kidsのもと、中学、高校生の子供達を毎年ルマン24時間レースに招待している。

このプロジェクトのテーゼは、「ひとりじゃないよ」。

自動車レースはドライバーひとりでは実現できない。たくさんのひとが一致団結・協力して、レースという一つの目標に向かって集中し、力を尽くしている現場に触れ、レース場で興奮を分かち合い、パレードに参加し喝采を浴び、子供達なりに理解しているという手応えを感じる。日本に帰りたくない、ル・マンにこのまま居続けたいと涙を流す子供達に、ル・マンで感じ取った「ひとりじゃないんだ」という気持ちを、どうか同世代の子供達に引き継いでいってほしいと願う。

 

そして来年70歳を迎える寺田さん。記念すべき30回目のルマン24時間レース参戦に向け、心も体も準備ができている。

昨年2015年には、レーシングドライバー歴50年を祝った。まさに夢に向かって全エネルギーを集中させ、走り続けて来た半世紀だ。(た)

 

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Circuit des 24H du Mans

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