Tag : ゾラ

ゾラの胃袋 12

 情熱的な画家が主人公の『制作』(1886年)。この作品には、画家の友人である作家のサンドーズ家の食卓が何度か登場する。そこには若い独り者の芸術家たちが集い、シンプルな料理、そしてパンをたっぷり食べて満腹になり、安ワイン […]

ゾラの胃袋 11

 パリの下町を描いて作家として名をなしたゾラ。その後、『ごった煮』(1882年)、その続編といえる『ボヌール・デ・ダム百貨店』(1883年)では、パリのブルジョワ世界にメスを入れていく。  下町出身の女優が主人公の『ナナ […]

ゾラの胃袋 その10

 ゾラの代表作の一つに、若い女優を主人公にした『ナナ』がある。高級娼婦でもあるナナの日常は色恋沙汰で忙しく、にぎやかな話し声や街の音に満ちている。そんな中にあって、読者を静かで平和な世界に誘ってくれるのが、ナナの別荘地で […]

ゾラの胃袋 9

 ゾラは『居酒屋』で作家としての名声を確保した。その続編が、この作品の主人公の娘の名前が題名になっている『ナナ』(1880年)だ。  パリの労働者階級の両親のもとで生れ育ったナナは、父親からは贅沢嗜好(ぜいたくしこう)を […]

ゾラの胃袋 8

 ゾラの『居酒屋』の中で、唯一、いつものらりくらりと甘〜い人生を送っているのが、帽子屋のランチエだ。とびっきり怠け者だけれど、自分の体型の管理にはやたらと気をつかい、「家に一文もないときでさえ、彼には卵や骨つき肉や、栄養 […]

ゾラの胃袋 7

 ゾラの出世作『居酒屋』(1877年)を読んでいると、主人公の生活の浮き沈みのあまりの激しさに、メロドラマを見ているような気になる。  ヒロインは洗濯女のジェルヴェーズ。初めは健気な働き者だったこの主人公が、好きな男に去 […]

ゾラの胃袋 6

 ゾラは『ルーゴン=マッカール叢書』の中で繰り返し同じ人物を登場させている。そんな重要人物の中のひとりが画家のクロード・ランティエ。『制作』(1886年)では、苦悩する芸術家としてとりあげられるこの人物だが、『パリの胃袋 […]

ゾラの胃袋5

 ゾラの『パリの胃袋』には、中央市場で活躍する女たちが何人も登場する。その中で、きっとゾラが一番楽しく書いたのではと思わせるのが、果物売りのラ・サリエット。まだ子供のような若々しい彼女を、ゾラはまるでひとつの新鮮な果物を […]

ゾラの胃袋4

ゾラにとって、食べることは人生の喜び。  ゾラの食べ物小説『パリの胃袋』の隠れたテーマは、理想主義で貧乏の痩せっぽちと、良い生活をしている太っちょとの戦いだ。主人公は痩せっぽちのインテリで共和主義者のフロランで、太っちょ […]

ゾラの胃袋 ③

ゾラはオリーブオイルをたっぷり使った料理に親しんだ  イタリア人の父とフランス人の母のもとに生れたゾラは、幼少期を南仏で過ごした。太陽の下で過ごしたこの時期に、将来の作家は画家のセザンヌとの友情を育んだり、土地でとれたオ […]

ゾラの胃袋 2

夜、家になにか美味しい物がないと、僕は、不幸なんだ。-ゾラ 1877年初夏、ゾラ夫婦はマルセイユ近くの小さな漁村エスタックに滞在する。その頃すでに有名になっていたゾラ。人の多い海岸では落ち着いて仕事も出来ないというのが、 […]