Parler français comme une vache espagnole(ヘタなフランス語を話す)57

牛 〈vache〉は天気が良くても悪くて大きな目を空に向けて「モー!」。〈Parler français comme une vache espagnole〉(スペインの牛のようにフランス語を話す)という表現の由来は1640年頃にさかのぼるといわれるがいくつかの仮説に頼るしかない。17世紀の〈parler français comme un Basque espagnol〉(バスク人のようにフランス語を話す)には、フランス寄りのバスク人よりも、オック語を使っていた南仏寄りのオクシタニアのオック人を指し、彼らはフランス語がヘタ、という侮蔑的な意味が含まれていた。〈vache〉には軽蔑的意味が含まれる場合が多い。例えば〈être vache avec …〉は「…につらく当たる」、〈peau de vache〉は「皮」と「牛」が重なり「意地悪な人」、〈vache à lait〉(金づる)、〈vache maigre〉(飢饉、欠乏)、〈pleurer comme une vache〉(わあわあ泣く)、 〈Il pleut comme une vache qui pisse〉([俗]牛の小便のように雨が降る=どしゃ降り)、〈Vache! Il pleut〉 「雨だ、ついてない!」など、ネガティブな意味が多い。肯定的な意味では〈Vache!〉「すごい!」や〈une vache de dîner〉(すごいディナー)、〈une vache de moto〉(カッコいいバイク)など。