パリ植物園大温室で蘭の展覧会〜Mille et une Orchidée〜

小さくてかわいらしい黄色の蘭からは、なんとキャラメルのような甘い香りが!

春待つ、2月。パリ植物園の大温室で蘭の展覧会。Mille et une Orchidée

 粉雪が舞う日もチラホラ、まだまだ寒さが続く2月のパリ。けれどこの時期は、パリ植物園の大温室が、一年でたった4週間だけ、“千と一輪の蘭の花”で美しく飾られる季節でもある。フランスと蘭、は少し意外な組み合わせのような気もするが、パリ植物園ディレクターのエリック・ジョリー氏によれば、じつはフランス人と蘭には深い関わりがあるそうだ。

通常の大温室の植物たちはそのままに、1001輪の蘭を配置。

19世紀頃まで蘭は栽培が不可能であったため、植物園など特別な場所でしか目にすることができない貴重・高価・ミステリアスな花だった。

しかし、1900年にフランス人植物学者ノエル・ベルナールが、土の中で蘭の硬い種皮を破り、自然に発芽を促すカビ(Rhizoctonia リゾクトニア)の存在を発見。それをきっかけに、フランスおよびヨーロッパ 各国で蘭の栽培と一般販売が急速に普及し、今日の人気へと至っている。

会場であるパリ植物園の大温室は、1936年に建築家ルネ・ベルジェによって完成され、2005~2010年に大掛かりな改修が施された。とはいってもやはり古い温室であり、750㎡という広さもあって、温度や湿度を常にコントロールするのは簡単ではないという。

それでも蘭の成長に適した気温20度、湿度60%程度になんとか保たれた大温室の中に一歩足を踏み入れると、寒さで硬くなっていた身体がそっとほぐれていくような感覚に。さまざまな蘭の花が混ざり合った華やかな香りも相まって、一足早く春が訪れたような気持ちで温室散歩が楽しめる。

また、野生の森を再現したかのようなさりげないBGMは、アーティストのロドルフ・アレクシが手がけたもの。毎年この展覧会のために新たな音源が用意されており、今年は彼が日本の沖縄で録音した鳥のさえずりなどもミックスされているという。

大温室で束の間の春気分を味わったあとは、引き続き蘭の写真展、今年からスタートした蘭の直売所へ立ち寄るのもお忘れずに

蘭マニアだけでなく、パリの長い冬で凍った心身をあたためたい!というすべての人におすすめの展覧会。(裕)

RED WINGと名付けられた大ぶりな蘭は今年の新顔。

Mille et une Orchidées

2月27日まで

Grandes Serres du Jardin des Plantes : 57 Rue Cuvier 75005

10:00~17:00(最終入館16:45)

休日:火曜日 料金(大温室&写真展):7ユーロ(割引 5ユーロ)

現在、フランスには約160種+数多くの自然ハイブリッド種の蘭が存在し、ヨーロッパの中でも多いとされる。

フランスの蘭の多くは南仏の地中海岸沿いや山間部に生息。

大きくエレガントな一輪から、言われてはじめて蘭と気づく小さな野生のものまで、毎年新しい蘭に出会うことができる。

今年、初めて蘭の直売所をオープン。一鉢10ユーロから。 ここほど多種の蘭が揃うのはフランスでもここだけ!

パリ植物園ディレクター、エリック・ジョリー氏。

普通、蘭の展示は週末限り、長くても一週間~10日くらいが限度だが、この展覧会は、世界各国の多種多様な蘭を揃えて4週間も続く非常にめずらしいもの。


Jardin des plantes

Adresse : 57 Rue Cuvier, 75005 Paris , France
アクセス : Gare d'Austerlitz/Censier/Jussieu
URL : http://www.jardindesplantes.net