まちをつくる。

ル・コルビュジエのフィルミニ緑地区と、今日の地域開発。

© Saint-Etienne Tourisme/Gabriele Croppi/Saint-Etienne Métropole/Hubert Genouilhac (c) F.L/ADAGP

フィルミニ緑地区、文化会館。© Saint-Etienne Tourisme/Gabriele Croppi/Saint-Etienne Métropole/Hubert Genouilhac (c) F.L/ADAGP


今年の7月、東京の国立西洋美術館や、パリ郊外ポワシーにあるサヴォワ邸、フランシュ・コンテ地方にあるロンシャンの礼拝堂をはじめとした、世界7カ国に点在するル・コルビジエの一連の作品がユネスコの世界遺産に指定された。

近代建築の巨匠は建物だけでなく、数々の著作を通じてひとつの哲学ともいうべき思想をうちたて、後世の建築家や都市工学者たちに大きな影響を与えた。

それと同時に彼の都市工学は地元の環境との調和や建築と権力との関わり合いなどの上で多くの課題を残した。没後50年を迎えた昨年、彼が第2次大戦中に行ったファシズムへの協力に焦点を当てた伝記が刊行され、大きな波紋を呼んだ。かつての巨匠の青写真は、今日でも有効なのだろうか?

今回はインドのチャンディガールとともに晩年の集大成となった、フランス南東に位置するロワール県フィルミニ市の人工都市「フィルミニ緑地区」と、隣県のクレルモンフェラン市で若手建築家たちが進めている住民参画型の地域の再開発の現場を訪れながら、フランスのまちづくりの今を追ってみよう。(浩)

取材・構成・文:戸塚 浩

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