遠藤周作、リヨンの青春。

写真提供:長崎市立遠藤周作文学館

写真提供:長崎市立遠藤周作文学館

小説『白い人』で芥川賞を受賞し、吉行淳之介や安岡章太郎などとともに「第三の新人」として日本の現代文学をリードしてきた遠藤周作(1923―1996年)。『沈黙』、『深い河』などのキリスト教や「東洋と西洋」をモチーフにした代表作が世界各国で支持されているが、「狐狸庵先生」という筆名でつづったユーモア溢れるエッセイもまた、今日の読者を楽しませてやまない。
ソーヌとローヌ、ふたつの河に挟まれたリヨンはフォルビエールの丘の大聖堂などがあるカトリック色の濃い宗教都市でもあり、またナチス占領中はレジスタンス運動が盛んだった町でもある。1951年から2年近く、遠藤は戦後初のフランス留学生としてこの地に暮らし、Paulという洗礼名で多くの仲間たちに親われた。彼にとってリヨンは作家として生きることを決断した転機の地でもあった。何が彼を作家への道へと進ませたのだろうか?彼が亡くなってから今年で20年。文豪の若き日を追い求め、リヨンに出かけてみよう。(浩)

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