「料理とは何か?」を知るために料理する。

檜垣浩二さん(37歳)

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「お客さんに不幸せになってもらいたい」という言葉を聞いておや?と心に引っかかった。つついてみると不幸せは「なぜこんな美味しいものを食べたことがなかったのか」という発見や「美味しいという幸せ」を感じることで、「美味しくない不幸」を知ることだと聞き納得する。

高知県、自然豊かな四万十川近くの生まれ。大阪で和食の修行をしている時にパスタを初めて食べイタリアンに開眼する。大阪、ヴェネチア、そして東京のイタリアンで働いた後、自分の店を開く地にパリを選び、この欄にも登場いただいた佐藤伸一シェフの店でセカンドとして5年間働く。なぜ日本でもイタリアでもなくパリで独立したのか? 理由は、イタリアだと暮らすことだけに満足してしまうのではないかという懸念があったが、パリでならば「自分にしか作れない料理を」という目標を忘れることがないと思ったから。新鮮な素材をシンプルに調理するのが和食とイタリアンの共通点とすれば、見た目の美しさに季節感を盛り込むのが最近のフレンチと和食の共通点かもしれない。自分が触れ、培ってきたこの三角形の食文化の頂点で、檜垣さんは店名 l’Inconnu (未知なるもの)の通り、日々変わっていく自分と食の未知なる接点を見出すために料理をし、時には苦しくとも明日が楽しみだと語る。その檜垣さんを、私は頼もしいなーと見つめる。(海)

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L’Inconnu

Adresse : 4 rue Pierre Leroux, 75007 Paris
TEL : 01.5369.0603
ランチコース 24-50€、夜のコース 45-65€ 昼 12-14h、夜 19h30-22h 日曜夜・月曜休