寒さ吹き飛ぶ四川の麺料理、 体の芯から温まろう。

bonpascher 792号で紹介した「唐辛子2倍」に妹ができた。その名も「唐辛子3倍」、姉をも越える辛さなのかと早速調べに行ってみた。外観はシックなモノトーン、店内はレンガ造りでNYやロンドンを彷彿とさせる無機質なお洒落さに、中国の小物が温かみを出していて、とてもスタイリッシュな空間になっている。1号店との違いは米が出ないこと。麺料理が10種、ここは麺の専門店なのだ。
2種類しかない前菜のひとつは、濃厚な甘辛ダレにからめられた、ずんぐりと大きな蒸し餃子(5個入り4€)。もうひとつは山椒とセロリの、香り高い牛肉の冷菜(小6.9€/大10.5€)で、醤油ベースのタレはスッキリしていて対照的だ。肝心の麺ものは、どれにしようか迷う。迷うがまずはやはりNouilles Dan Dan(9.8€)と書かれた担々麺にした。甘みのある味噌をしっかりとベースに感じる汁に、また汁がよく絡む縮れ麺。具は豚のひき肉、セロリ、コリアンダー、細ネギ、そしてたっぷりのピーナッツと「やさしく濃い」味が見事に実現されている。担々麺好きならうなる完成度の高さだ。担々麺の汁なしバージョンがジャージャー麺になるようで、次回は是非試してみたい。友人が注文したサツマイモが原料のVermicelles(9.2€)は、ゼラチンにも似た柔らかい食感。辛さのレベルは担々麺と同じ〈2〉なのに、小麦粉の麺とは違い、辛さが全く緩和されず直球で来る。尋常じゃない量の山椒が、口を舌をしびれさせ、せっかくの酸味を味わう余裕もなかった。別の友人が頼んだNouilles Bœuf Sichuanaises(12€)も近い味ながら、四川特有の揚げ煮にした牛肉が驚くほど柔らかく、麺が小麦粉であるせいか、辛さもまろやかだ。ここでは山椒、正確には花椒の香りを楽しむことができた。
顔中から汗を噴き出しながら、餃子にかけられた甘いタレの意味をようやく理解した。そういえば四川では、激辛料理の合間に、甘い料理で箸休めをするという。慣れていない私たちの胃腸にやさしいかどうかは疑問だが、それでもくせになる深い旨味がある。(み)


Trois fois plus de piment 

Adresse : 184 rue Saint-Martin 3e , Paris
アクセス : M° Rambuteau 
12h-15h/19h-23h 月休