ジロル茸とムール貝のアントレは、ごちそうだ!

 お気に入りのレストランに出かけたら、アントレに »Girolles au mouclade» というのがあった。ムクラードは、ムール貝のクリームソース煮のことで、ジロル茸との相性には感心してしまった。5月くらいの出回り始めたジロル茸なら、香りがさらに増しそうだが、忘れないうちに再現してみよう。
 まずはムール貝の下準備です。殻からはみ出しているヒゲをぬきとり、貝同士をこすり合わせるようにしながら水洗いし、ざるに空ける。底広のフライパンにバターをとり、みじん切りにしたエシャロットを炒める。それが透明になってきたら白ワインを加え、沸騰したらムール貝を重なり合わないように入れる。すぐにフタをして中火。殻が開いて黄色の身が見えてきたら煮すぎないような注意が肝心だ。ムール貝を網杓子を使ってボウルにとり、2回目のムール貝を加える。1キロの貝だと3回くらいに分けてムール貝を入れることになる。少し冷めたら、ムール貝を殻から出す。煮汁はこしておく。
 ジロル茸に付いている枯れ葉のかけらは、ちょっと水に濡らした刷毛をさっさっさと動かしながら、とり除く。大きい茸は二つに割って、同時に火が通るようにサイズを揃えたい。フライパンにバターをとり、ジロル茸を加え、さっと炒めて塩、コショウ。水気が出るまで炒めたりしてはいけません!
 ムール貝の煮汁を鍋にとり、少々煮詰めたら液状生クリームを加える。さらに少々煮詰めたら弱火にし、卵の黄身を加え、泡立て器を使って丁寧に混ぜ合わせる。木のヘラでかき混ぜながら火を通し、トロリとしてきたら即座に火から下ろす。沸騰させると黄身が凝固してしまうので、細心の注意が必要! ムール貝を入れて混ぜ合わせる。ジロル茸も加え、必要なら塩、コショウで味を調える。最後にシブレットのみじん切りを散らせばでき上がりだ。各人の皿に盛り付け、レモンを添えて食卓に。
 ワインは、辛口の白でもいいが、ブルゴーニュ産のまろやかな白も合うだろう。(真)
4人分:ジロル茸500g、ムール貝1kg、エシャロット2個、白ワイン150cc、生クリーム100cc、卵の黄身1個分、シブレット適量、バター、塩、コショウ


●moules de bouchot
 フランスのブルターニュやノルマンディーで、moules de bouchotと呼ばれるムール貝が養殖されている。bouchotというのは、ムール貝を養殖するための支柱のことで、ふつうカシの木やクリの木の杭が使われている。潮が引いた時にその杭が水中から現れるような所に設置され、その樹皮にムール貝の種が植え付けられる。というわけで、そのムール貝、殻の一つ一つから、その樹皮がヒゲのように出ている。それを引き抜くのが、最初の下準備になる。その時に殻がすっかり開いているものや、欠けているものは除くこと。地中海産などと比べると小さめだが、そのオレンジ色がかった黄色の身は、味が深く、甘みさえ感じられる。モン・サンミシェル産が名高いが、他の産地のものだってうまい! このムール貝を調理すると、貝から自然に塩気が出てくるので、ほとんど塩をする必要はない。殻が開いたところが食べごろで、それ以上火を通すと、固くなってうまみがとんでしまう。 
 オランダやアイルランド産のムール貝は、やや大きめで、養殖方法が違うのでヒゲがなく、洗うのも簡単だが、うまさはmoules de bouchotにかなわない。ベルギー名物の、「ムール貝フライドポテト添え」に使われるのが、このムール貝だ。
 さらに大きいのがmoules éspagnolesというスペイン産のムール貝。もちろんパエリャにも入るけれど、レストランの海の幸盛り合わせに加わって、生のまま食されるのがこのムール貝だ。
● penne aux moules
 今回のレシピのように、ムール貝を白ワインで煮て殻から出し、煮汁と一緒にとっておく。ただ4人分だったら1キロから1キロ半のムール貝が必要だ。ペンネをゆで始めたころに、ソトゥーズにバター大さじ2杯をとり中火にかける。バターが溶けたら小麦粉大さじ2杯を加えて、よく混ぜ合わせる。しばらく火を通したら、ムール貝の煮汁を加え、ベシャメルソース状にする。固すぎるようなら、牛乳を足せばいい。塩、コショウで味を調え、熱々のペンネの上からかける。パセリを散らし、おろしたパルメザンチーズを振りかけて、Bon Appétit!


Girolles au mouclade