車の排気ガス・省エネ対策

車に対する規制対策
フランス全国で、今年7月1日より生鮮食品以外には買物のビニール袋が禁止されたのとともに、車についても使用規制令が施行された。パリ市内は車齢や車種に応じて6段階の大気汚染度を示すラベルCrit’Airをフロントガラスに貼付することが2017年1月から義務化されているのだが、車齢が20年以上(1997年以前に購入)、二輪車に対しては18年以上(1999 年以前)は、パリ市内では朝8時から夜8時までは走行禁止となった。排気ガス公害の50% が車齢10年以上の車の排気ガスによるとみられている。しかし、車齢20年以上の救急車やパトカーなどに関する特例があるが、まだ公表されていない。

ニコラ・ユロ=エコロジー移行・連帯相の政策

リベラシオン紙(17-9-18)のインタビューで、ユロ=エコロジー相が明らかにした具体的な排気ガス・省エネ政策を追ってみよう。

車の買い替えへの補助金

2018年からは、今まで低所得者だけに給付されてきた車買い替えの際の補助金 500€〜1000€を、1997年以前のガソリン車またはCrit’Air 0〜2の 中古車に買い替える人には全員に給付する。所得税免税の所帯には補助金は2倍(最高2000€) となり、この措置は2006 年以前のディーゼル車を買い替える場合にも適用される。さらに電気自動車に買い替えるなら補助金は2500€になる。この補助金制度により、2018年には約10万台、数年後には300万台が買い替えの対象になるだろうと、ユロ=エコロジー相は楽観的だ。

家屋の断熱・遮断・保温工事奨励策

暖房費節約のための工事費は、所得税の給付付き税額控除の対象になるのだが、それができるのは翌年の申告時になるので一般家庭には不便だった。これを改めて、2019年からは工事終了時に、補助金が給付されるようにする。

ディーゼル車はフランス人に愛され続けるのか

フランスは、30 年前にはディーゼル車の普及率は9.9% だったのが、その後、軽油がガソリンより税率が低いので、今日、3台のうち2台(平均70%、重量車95%)はディーゼルを使い、アイルランド、リュクセンブルグに次ぐ欧州3位の普及率となっている。ディーゼルエンジンはガソリン車よりも窒素酸化物(NOx)を多く大気中に放出する。排気ガスによるガン死亡者は年間4万2千人に及ぶといわれている。
そうしたなかで2013年フォルクスワーゲンのディーゼルエンジン車スキャンダル(1100 万台)に次いで、仏プジョー&シトロエンも同様にディーゼル車の排気ガス制御の不正操作を2013~15年生産分の200万台に行った疑いが明るみに出ている。