ニース風牛肉の赤ワイン煮はオレンジの香りがする。

Daube niçoise

テレビの地方番組で、退職した医師がお母さんが得意だったというニース風ドーブの作り方を紹介していた。牛肉を赤ワインで煮込んだものだが、オレンジの香りがきいている、南仏らしい一品だ。

牛肉は、パルロンという肩肉やほお肉がいい。今回は、一つ500グラムちょっとのほお肉を二つ買い、ちょっと固いので、肉屋に一つを八つに切ってもらった。まず、肉を漬けるマリナードを準備する。玉ネギは粗いみじん切り、ニンジンは太いフライドポテトのような形に切り分ける。ニンニクは押しつぶす。以上をバットにとり、赤ワインを注ぐ。コショウを多めに挽き入れ、ナツメグ少々もおろして加える。そしてオレンジの皮を、白い部分が入らないように薄くむいて、少なくても半個分は入れたい。肉を加えて全体を混ぜ合わせ、ラップして冷蔵庫に24時間入れておく。

24時間たったら、肉をとり出し、残った野菜とワインは、パソワールを使って別々にする。このへんでオーブンの目盛りを140度に合わせて点火する。

まず野菜を2分ほど炒める。テレビのレシピでは、フライパンにラード(右欄参照)をとって炒めていたが、オリーブ油でもかまわない。肉は、キッチンペーパーでよくぬぐい、塩を振る。ココット鍋にオリーブ油とバターを半々にとって中強火にかける。バターが泡立ってきたら肉を入れ、きれいな焼き色がつくまで炒め、小麦粉を振りかけて混ぜ合わせ、マリネに使った赤ワインを注ぐ。木のへらで鍋の底のうま味をとけ込ませるようにしたら、ブーケ・ガルニ、丁字を刺した玉ネギを入れる。トマトピューレも加え、沸騰してきたらふたをし、熱くなっているオーブンに入れて3時間の辛抱だ。2回くらいオーブンからココット鍋を出し、大きく混ぜ合わせたいが、熱いのでヤケドしないように気をつけてください。

付け合わせはゆでジャガ。ワインはコット・ド・プロヴァンスの赤かな。(真)

4〜6人分:牛のほお肉1kg、玉ネギ3個(1個は丁字を刺すため)、こくのある赤ワイン1本、ニンジン4本、ニンニク1片、ブーケ・ガルニ (長ネギ、セロリ、タイム、ローズマリー、ローリエの葉2枚を糸で結わえたもの)、ナツメグ少々、丁字4本、トマトピューレ150g、オレンジ、オリーブ油、バター、塩、コショウ。


 

Flambée

 今回のドーブ、コニャックやマール酒などでフランベすると、ひと味違う。肉に小麦粉を振りかけて混ぜ合わせた段階で、大さじ3、4杯分を一気に注いで、マッチや点火器で点火する。思ったより高く炎が上がるので、鍋をのぞき込んだりしないこと。また鍋の上に燃えやすいものがあるかどうかもチェックすること。炎が立ったらそれが消えるまで、木のへらなどで混ぜ合わせる。蒸留酒ならジンやウオッカ、ウイスキーなどでもいいのだが、今回はワイン煮なので、やはりコニャックかワインの搾りかすを蒸留したマール酒が適している。ビール煮ならウイスキーでフランベだ。

Lard gras
 フランス語でラードはsaindouxといい、以前はバターのようにパッケージされて市販されていたのだが、最近はほとんど見かけない。そこで、豚肉屋に出かけ、皮つきの、厚さ7、8センチはあるlard grasと呼ばれる脂のかたまりを、好みの量だけ切ってもらって買ってくる。できるだけ薄く切ってから、固い皮を切りとってフライパンや鍋にとって弱火にかけると、脂が溶けてどんどんにじみ出てくる。冷ましてからタッパーに入れ、ふたをして冷蔵庫で保存すれば、長持ちするし、簡単に必要な量がとり出せて便利だ。これをたっぷり使ったセロリ入りのチャーハン、うま〜い!